小説「新・人間革命」 雄飛 四十九 2017年8月11日
日本では、六月に学会が恐喝事件で山脇友政を告訴すると、追い詰められた山脇は週刊誌やテレビを使って、学会への中傷を繰り返していた。
彼は、荒唐無稽な作り話などで、学会には社会的不正があると喧伝する一方、「正信会」に、山本伸一の証人喚問を求める集会やデモ、国会議員への請願等を行うよう働きかけた。
それらは実行されたものの、結局は、破綻へと向かっていくのだ。
宗内は騒然たる状況となっていたが、学会の僧俗和合の姿勢は変わることはなか
った。
ここには、山本伸一のはつらつとした姿があった。万雷の拍手が轟くなか、彼は、あいさつに立った。
また、五十年にわたる広布の苦楽の尾根を共に歩み抜いてくださった草創の功労者、並びにすべての会員の皆様に、満腔の思いを込めて御礼申し上げる次第です。
創価学会は、峻厳な信心がある限り、広布をめざす果敢な弘教の実践がある限り、永遠不滅であります。
妙法を根本に平和と教育の推進に尽くしてきた学会の大民衆運動の第一幕は終了し、いよいよ、ここに第二幕が開いたのであります。
今日よりは、創立百周年をめざして、世界の平和と文化、広布のために、心新たに大前進してまいろうではありませんか!」
師子吼は轟いた。御聖訓には「師子王は百獣にをぢず・師子の子・又かくのごとし」(御書一一九〇ページ)と。皆の闘魂が火を噴いた。