小説「新・人間革命」 勝ち鬨 二 2017年12月7日

山本伸一の祝電は、こう結ばれていた。
 
 「アメリカの青年も
  ドイツの青年も
  またイタリアの青年も
  そしてフランスの青年も
  イギリスの青年も
  東南アジアの青年も
  皆 真実の平和のために立ち上がった
  
  わが真の同志たる日本の青年部の
  すばらしい団結とすばらしい成長と
  すばらしい勝利の連続の歴史を
  祈り待ってメッセージとしたい」
 
伸一は、広宣流布即世界平和のために、地球上の創価の青年たちが、スクラムを組み、先駆となって、生命尊厳の人間蘇生の哲理を広げていってほしかったのである。
この呼びかけに応えるかのように、会場後方には、青年たちの誓いとして「新たなる広布の歴史は始まった 2001年へ勇んで勝利の前進を?」との横幕が掲げられていた。
一方、地球の反対側に位置するブラジルでは、大瀑布イグアスの滝から二十キロほどのところにあるフォス・ド・イグアス市で、十一日午後四時(現地時間)から、ブラジルをはじめ、パラグアイ、チリ、ウルグアイ、アルゼンチン、ボリビアのメンバー千人が集い、初の南米男子部総会が開かれた。
アマゾン方面最大の港湾都市ベレンから、バスをチャーターしてブラジルを縦断し、八十時間をかけて参加した同志もいた。
伸一は、ここにも祝福の言葉を贈った。
「ともかく二十一世紀の舞台は君たちのものである。あらゆる苦労をしながら、題目を声高らかにあげながら、職場で第一人者になりながら、生涯を大切にしながら、生活を大切にしながら、教学を研鑽しながら、一歩、一歩、また一歩と、南米の歴史に残る諸君の成長と健闘を心から祈り待ちます」
伸一の呼びかけに、南米の青年も意気盛んに立ち上がった。青年の時代の幕は開いた。