随筆 永遠なれ創価の大城 27 花の女子部に希望輝け(2018年1月25日)

この冬、北日本日本海側など各地で、厳(きび)しい積雪に見舞われている。
今週初めには、関東平野部でも大雪となった。
雪国の方々の大変なご苦労があらためて偲(しの)ばれる。
聖教新聞を配達してくださる“無冠の友”の皆様方をはじめ、全国の宝友が絶対に無事故であるよう、体調を崩されないよう、ひたぶるに妻と題目を送っている。
 
日蓮大聖人は、深い雪道をかき分けて仏法に尽くす真心を讃えられ、「友にあらずばたれか問うべき」(真の友でなければ、誰が訪ねてくれるであろうか)と仰せになられた(御書1554ページ)。
創価家族の献身(けんしん)は全て御本仏が御照覧(ごしょうらん)である。
 
伸び伸び楽しく
乙女たちの朗らかな声は、皆の生命を蘇(よみがえ)らせる希望の暁鐘(ぎょうしょう)だ。
乙女たちの真摯(しんし)な研鑽(けんさん)は、社会に哲学の大光を贈る福智(ふく)の太陽だ。
そして、乙女たちの賑(にぎ)やかなスクラムは、世界へ未来へ、幸の華を広げゆく平和の大地なのだ。
今、全国各地で女子部の「ロマン総会」がたけなわである。
新年早々、友の激励に走り、「皆が喜んでくれるなら」と、祈りと知恵を尽くして準備に当たってくれている華陽の乙女は、何と健気(けなげ)なことか。
陰で支え、見守ってくださっている婦人部の母たちにも感謝は尽きない。
世界で最も尊い“婦女一体”の明るい行進を、私は妻と嬉しく見つめ、大成功を祈る毎日だ。
 
 
楽しい所に、人は集まる。肩肘(かたひじ)を張る必要などない。本有無作(ほんぬむさ)の自然の振る舞いの中で、学会の温かな励ましの世界を、信仰によって磨(みが)かれた人格の輝きを、伸び伸びと伝えていくことだ。
「どうすれば、新入会の友に、学会精神を伝えられるでしょうか」――以前、女子部のリーダーから、こんな質問を受けたことがある。
「難しく考えることはないよ」。私は答えた。
「日頃の触れ合いの中で、一歩一歩、信心を教えていけばいい。先輩として、親しい友人として、普通に、ありのままに接していけばいいのです」
 
「大切なのは、友の心を知り、時と場合に応じて語っていく、人間哲学者の直観の智慧だよ」   
思えば、私たち夫婦が若き日、常に心掛けていたのも、この点である。
私の部員には、入会まもないメンバーや、恩師・戸田先生のことをよく知らない友もいた。
自宅に呼んで、「戸田先生から作り方を教わったんだ」と話しながら、カレーライスを振る舞ったこともある。
書棚にあったゲーテトルストイの本などを手に取ってもらい、師匠のもとで学んだ人間学を語ったこともあった。
学会活動の帰途、銭湯で共に汗を流したこと、屋台のラーメンを食べたことも懐(なつ)かしい。
飾らず気取らず、率直な青年として触れ合い、友の心の機微(きびん)を捉(とら)えながら、私なりの師と学会への思いを伝えていったのである。
「広布の前進のために」「同志の幸福のために」とたゆまず祈り、心を定めていけば、私たちの一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)も必ず信心の触発(しょくはつ)となるはずだ。
共に語り、共に喜ぶ。共に充実した時間を過ごし、共々に戦い勝つ――心に積み重ねた、その福徳の歴史は、互いの人生を支える土台となる。
 
御書には、「今生人界(こんじょうにんかい)の思出(おもいで)」(467ページ)となり、そして「未来までの・ものがたり(物語)」(1086ページ)となると約束されている。
広宣流布とは、人間と人間の深き心の交流を、地域へ、社会へ、明日へ広げながら、自他共の生命に、三世に輝く「栄光」を築いていける、最高のロマンなのである。
 
無限の力を開く
 女子部は一人も残らず幸福に!
 清らかな強き信心で、この一生を生き抜け!
 
――これが、わが師・戸田先生の願いであり、師弟一体の私たち夫婦の願いである。
嬉しいことに、「女子部は教学で立て!」との指針を胸に、創価の乙女たちが清新(せいしん)な求道心(きゅうどうしん)で、「華陽会御書30編」の読了に挑戦している。
本年、女子部が研鑽(けんさん)する重点御書の一つ「顕仏未来記(けんぶつみらいき)」は、戸田先生が大阪で初めて一般講義をされた御抄でもある。
現在、“常勝関西”が燃えに燃えて、対話拡大を進めていることは、何と頼もしいことか。
恩師は、講義の後の質問会で師子吼(ししく)された。
――我らは、南無妙法蓮華経という題目の力、無限の福運の力を持っている。自ら題目を唱え、人にも唱えさせることによって、この力を開いていくのだ! と。
若くして妙法を受持した乙女が幸せにならないはずがあろうか。
広布の誓いに生き抜く青春は、必ず無限の福運の力が涌現する。必ず自分らしく輝き、自分でなければ果たせぬ使命に生き切っていけるのだ。
これが「自体顕照(じたいけんしょう)」である。その自身の生命の光が、周りをも幸福に照(て)らしていくのだ。
「華陽」の二字には、「華のように美しく、太陽のように誇り高くあれ」との祈りが込められている。ゆえに何があろうが、不安に震(ふる)えたり、一喜一憂(いっきいちゆう)したりすることはない。胸を張って、自信満々と華陽の生命で進めばよいのだ。
戸田先生は言われた。
「百の説法も、百冊の本も、妙法を持った『一人の女性』の生き生きとした姿にはかなわない」
まさしく白蓮グループの友の姿もそうである。
                    
ここで、窪尼御前(くぼのあまごぜん)という女性門下に送られた御文を拝したい。日興上人の叔母(おば)にあたり、富士方面で活躍した高橋六郎兵衛入道(たかはしろくろうひゅえにゅうどう)の夫人である。
夫の死の悲しみも乗り越え、大難の中、大聖人をお守りせんと、毅然(きぜん)たる信心を貫いていた。
 
この窪尼御前には一人の「姫御前(ひめごぜん)」がいた。
大聖人は、この母娘に語りかけておられる。
「一人おられる姫御前は、長寿で、幸福で、“さすがあの方の娘であることよ”と、評判になるでしょう。
(姫御前は)今も幼いのに母御前に孝養(くよう)を尽くされるほどの女性ですから、父である故入道殿の後世をも助けられるでしょう」(御書1481ページ、通解)
御文からは、父の亡き後、姫御前が懸命に母を支える様子が拝される。大聖人は、姫御前が健やかに成長し、幸せになり、“何と素晴らしい娘さんか”と皆に賞讃されると仰せである。
私には、この健気なる姫御前が、わが女子部の皆さんと二重写しに思えてならない。
一家で、職場で、地域で、女子部が凜然(きぜん)と一人立てば、希望と勇気の太陽が昇り、歓喜の笑顔の花が咲き薫る。
そこに、「冬は必ず春となる」(同1253ページ)との勝利劇が綴(つづ)られゆくのだ。
 
女性の声を結べ
女性の活躍が、いかなる地域・団体でも最重要となる時代である。
昨年、国連で核兵器禁止条約が採択された。ここでも、広島・長崎の被爆者の方々をはじめ、核廃絶を求める女性の声を結集したことが大きな力となっている。
議論を進める上でも、ノーベル平和賞を受賞した「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」のベアトリス・フィン事務局長など女性が大きな役割を果たしていることは、ご存じの通りだ。
過日、このICANの一行が信濃町の総本部を訪問し、SGIとの一層の友情と協力を期待されていた(17日)。
その折、二人のお子さんの母親でもあるフィン事務局長が、被爆者の方々の幼い頃の悲惨な体験を聞くにつけ、一人の母として、自分の子どもたちを絶対に同じ状況下に置いてはならないと強く決意してきた――と語られていたと伺(うかが)った。
いやまして、生命を護(まも)る母の声、女性の力を!平和を叫ぶ青年と民衆の連帯を!
フィン事務局長と、女子部、婦人部の代表との語らいも、未来を開く麗(うるわ)しい交流となった。
 
天翔ける翼あり
今月30日で、公民権運動の母ローザ・パークスさんとお会いして、25周年となる。
ロサンゼルス郊外にあった、当時のアメリ創価大学のキャンパスでの出会いであった(1993年)。
2月4日が80歳のお誕生日で、妻が用意したお祝いのケーキを満面の笑みで喜ばれた。
懇談の際には、慈母の如く「私の一番の“趣味”は、若者たちと一緒に働くこと、若者の手助けをすることです」と。
私たちも地涌の若人を励まし、共に進みたい。
その翌年、パークスさんは初めて太平洋を越え日本まで訪問された。
この時、「青空へ翔(か)ける鳩(はと)」の美しい刺繍(しゅしゅう)を贈ってくださった。
私は申し上げた。
「希望の鳥が青空へ翔(か)けていきます。闇(やみ)を破(やぶ)って暁(あかつき)へと羽ばたいていく。
『希望』の翼です。だれにも縛られない『自由』の翼です」
わが華陽姉妹よ、無限の希望の翼を広げ、ロマンの青空を自在に舞いゆけ!春夏秋冬、「負けない心」で
 
 朗らかに!
  みな天使
   みな幸福の
    姉妹かな
   心の宮殿
    共に光らせ