小説「新・人間革命」 誓願 三  2018年3月28日


「常勝関西」に、さわやかな希望の青空が広がっていた。二十二日午後一時半、関西青年平和文化祭は、新入会員一万人の青年による平和の行進で幕を開けた。
誉れの青春を、真実の生き方を求めて創価の道に進んだ新入会の若人たちが、胸を
張って歩みを運ぶ。宗門事件の逆風のなかで、懸命に彼らと仏法対話し、弘教を実らせた同志たちは、その誇らかな姿に胸を熱くした。
新しき力こそが、新しい未来を開く原動力だ。
「国連旗」「創価学会平和旗」が入場したあと、山本伸一が青年たちに贈った詩「青年よ 二十一世紀の広布の山を登れ」に曲をつけた合唱曲を、二千人の混声合唱団が熱唱し、グラウンドいっぱいに純白のドレスが舞う。
女子部の創作バレエである。
平和の天使・鼓笛隊のパレードや高等部のリズム体操、女子部のダンス、袴姿も凜々しい学生部の群舞、音楽と人文字とナレーションで構成する「関西創価学会三十年の歩み」、中等・少年部の体操、女子部のバレエ、音楽隊のパレード、和太鼓演奏「常勝太鼓」と、華麗な、また、勇壮な演技が続いた。
やがて、男子部の組み体操となった。
「ワァー」と雄叫びをあげ、男子部四千人がフィールドに躍り出る。
「紅の歌」「原野に挑む」など、学会歌が流れるなか、次々と隊形変化し、人間の大波がうねり、人間ロケットが飛び交い、八つの五段円塔がつくられた。
そして、中央で六段円塔が組まれ始めた。
一段目が六十人、二段目二十人、三段目十人、四段目五人、五段目三人、六段目が一人──一段目は立ったまま、その肩に、あとの三十九人を乗せていく。
一段目が揺らげば、上段を支えることはできない。
二段目が乗り、中腰の体勢で円陣を組む。
さらに、三段目、四段目……と順に乗り、同じ体勢で、六段目が乗るのを待つ。
「いくぞーっ!」
限界への挑戦というドラマが始まった。皆には、鍛錬を通して培われた自信があった。