小説「新・人間革命」 誓願 十一 2018年4月6日
「平和は、人類の願望である。私どもは正法正義を根本とし、ただひたすらに、平和に向かって前進してまいりました。
また、これからも、断固、進んでいかねばならない。
さまざまな中傷、批判があったとしても、それらを乗り越えて、最も重大な、人類願望の平和を実現する大河の一滴として、私どもは前進していかねばならない。
どうか諸君、あとはよろしくお願いします!」
伸一は、関西の青年たちに和歌を贈った。
「ああ関西 天晴れ地晴れ 十万の
平和の勇者は 歴史築けり」
第一回関西青年平和文化祭は、民衆を基盤とした新たな平和の夜明けを告げる旭日となり、感動のうちに幕を閉じた。
伸一は、京都、滋賀を訪問する
予定を変更し、秋月と共に総本山へ向かった。三月二十五日のことである。
待ち受けていたのは、修羅のごとき形相をした日顕であった。居丈高に話しだした。
もともと高いものを「高める」とは、なんたる不遜な言葉か、と言うのだ。
まさに、言葉尻をとらえての言い分であった。
誰の耳にも、その真意は、仏法を広く時代、世界の精神にしていくという広布と平和への誓いであることは明らかだ。
歪んだ心の鏡には、すべてが歪んで映るものだ。