小説「新・人間革命 誓願 十二 2018年4月7日
あの感動の文化祭を見て、青年たちをねぎらうどころか、わざわざ、このことを言うために伸一たちを呼びつけたのだ。
嫉妬深いのか、本性をさらけだしたのか、いたずらに自分の権威を誇示するかのように威張り散らす姿に、ただ、あきれ果てるばかりであった。
しかし、広宣流布のために、僧俗和合していこうという伸一の姿勢は、いささかたりとも変わらなかった。
「今こそ、平和・文化の新しき創造を!」
「曇り後雨」の天気予報を覆し、青空が広がっていた。
これには、国連広報センターから、小田信昭副所長も出席し、来賓を代表してあいさつした。
「本日の文化祭を通じて、平和は遠い世界のどこかでつくるものではなく、この地で、私たちの周りでつくり上げていくものだという実感を強くいたしました。
このことは、SGI会長の国連支援の精神に触れるものであり、強い感激を覚えました」
「団結してこそ勝利は至る」(注)とは、ドイツの劇作家にして詩人のブレヒトの言葉である。平和という壮大な理想を実現するには、青年の熱と力の結集がなければならない。
小説『新・人間革命』の引用文献
注 「連帯性の歌」(『ブレヒト詩集』所収)野村修編訳、飯塚書店