小説「新・人間革命」 誓願 三十四 2018年5月4日
そして、同席していた学長から同賞が副議長に手渡された。
この法華経に代表されるように、仏教は発祥以来、あらゆる差別と戦ってきた。
カースト制度をはじめ、人種、民族、国籍、宗教、職業、階層、出自等々による一切の差別を否定している。
それゆえに、既成の体制や権力から、無数の迫害を受けた。日蓮大聖人も自らを「旃陀羅が子」と言われ、差別される側である、社会の最底辺に身を置きながら、絶対平等の仏法思想の流布に戦われた。
伸一は、こうした、いわば仏法の人権闘争の歴史と精神を踏まえ、SGIは、仏法を基調に、あらゆる人びとに開かれた「平和」「文化」「教育」の運動を推進するものであることを訴えた。
さらに、未来を展望する時、国家発展の因は、「教育」であり、知性の人が増えることは、「より多くの人びとが社会の本質を見抜き、『善』と『悪』とを明確に判断できるようになる」と語った。
また、人権闘争の英雄である副議長に、尊敬と賛嘆の思いを込めて一詩を捧げた。
「私は もろ手をあげて称えたい
その偉大なる精神の力を
その不撓なる信念の力を
そして
満腔の敬意をもって呼びたい
誇り高き『アフリカの良心』にして
人道の道を行く我が魂の同志――と」