小説「新・人間革命」〉 誓願 四十六 2018年5月19日
さらに、世界のあちこちで民族、宗教、経済などをめぐって対立の溝は深まり、冷戦後は、局地的戦乱が広がりを見せていった。
平和への道は、険路である。だからこそ、断じて、その歩みをとどめてはならない。
そのためには、開かれた心の対話の回路を、あらゆる次元でめぐらせていくことが必要となる。
それは、時代の病理の対症療法ではなく、根本療法の次元の労作業といってよい。
伸一は、ゴルバチョフが大統領を辞任したあとも、幾度となく会談を重ねていった。
元大統領は、この日、大学の講堂で記念講演を行っている。
そして、九六年(同八年)には、ゴルバチョフと伸一の語らいをまとめた『二十世紀の精神の教訓』が発刊されたのである。
友情は、永続性のなかで、より深く根を張り、より美しく開花する。