小説「新・人間革命」 誓願 百十九 2018年8月16日
すると、金庸は、強く訴えた。
「香港SGIをはじめ、SGIの方々には、ぜひ『精神の価値』『正しい価値観』を多くの人たちに示していただきたいのです」
香港の民衆の幸福と繁栄──二人の心は、この一点にあった。
伸一が、メンバーに訴え続けたのは、いずこの地であろうが、不屈の信心ある限り、幸福の宝土"と輝くということであった。
日蓮大聖人は、「其の人の所住の処は常寂光土なり」(御書五一二ページ)と仰せである。
──一九九七年(平成九年)七月一日、イギリスの統治下にあった香港は、中国に返還され、歴史的な式典が行われた。
その祝賀式典のアトラクションには、香港SGIの「金鷹体操隊」も若さあふれる演技を披露した。また、同日夜の記念音楽会には香港SGIの各部の合唱団が出演した。
香港のメンバーは、返還後の香港を「平和と繁栄の港」にとの決意を固め合い、二十一世紀という「第三の千年」へ飛翔していくのだ。
九五年(同七年)十一月十七日、アジア訪問から帰国した山本伸一は、そのまま中部・関西指導に入った。
そして二十三日、関西文化会館で、全国青年部大会、関西総会を兼ねた本部幹部会が開催された。
その席上、SGI理事長の十和田光一から、「SGI憲章」が発表された。