第19回 池田先生と福岡 (2019.3.26)


壁を破れ! それが先駆
1990年9月、池田先生は九州広布の本陣・九州池田講堂(福岡市東区)を訪問。
師弟の激励行の玄関口となってきた福岡空港に降り立つ飛行機を写真に収めた
               
能動の人たれ
「先駆」──大九州の心臓部たる福岡に託された永遠の使命であり、責任である。
1967年(昭和42年)7月、池田先生は福岡で「常に先駆の九州たれ」との不滅の指針を発表。以来、折に触れて、広布拡大をリードしゆく同志に「先駆」の意義を訴えてきた。
「先駆の人」とは能動の人であり、みずから率先の人である。そこに栄光も勝利もある。
すべてにおいて先駆をめざし、考え行動していく、根性、努力の人こそ、偉大であるし、平凡をつきぬけた英雄である。
そこにほんとうの充実感と喜びがあることを知っていただきたい。
「先駆」とは、“人に先んじる”だけではない。
いざ新たな戦いを起こそうとした時、誰でも最初に突き当たるのは、自分自身の心の壁である。
「難しい」「苦手だ」「できない」──そうした自身の壁に、勇気を奮ってぶつかることだ。
壁を破れ! 汝の戦場から逃げてはならない。(中略)
“自分との戦いに先んじる”人こそ、偉大なる深き人生を生き抜いた、まことの勝利の人の異名だ。
「先駆の九州」は即「二十一世紀の先駆」であり「人類の先駆」である。世界市民への成長へ、期待が寄せられている。
人生は戦いである。戦い続けるのが人生である。戦うごとに強くなる人が幸福者であり、真の「人間」である。皆さまは、全員が九州新時代の人である。
思えば、かつての九州本部は、やはり、防塁が残る西新(福岡市早良区)にあった。
今は、同じ敷地に福岡平和会館が建っている。
この地を拠点として、草創の九州は、新たに大きな潮騒となって、東洋広布の先陣を切っていった。
私が第三代会長に就任した年(一九六〇年)、福岡支部は、一年でなんと五回も、「月間の折伏日本一」の圧倒的な大勝利を飾ったのであった。
我らの法戦は、仏と魔との永遠の闘争である。
その最前線に打って出て、邪悪と戦う活発な魂と勇気が、正義の光に包まれた城壁を築き上げる。
万巻を読みし知恵以上の仏の智慧を、わが胸中に宿らせながら、彼らは、新時代の黎明の鐘を打ち続けていった。
東洋広布は九州から!
九州広布は福岡から!
これが、「先駆」の久遠の誓願を果たさんと、力強く立ち上がった同志の心意気であった。
「先駆」──
なんと気高く、光輝な、勝利の心をもった生命であろうか。
 
九州広布の源流
九州の政治・経済の中心である福岡は、創価三代の師弟の魂が深く刻まれた九州広布源流の地だ。
戦前、初代会長・牧口常三郎先生は、現在の北九州市門司区を起点に九州各地を弘教へと歩いた。
後に池田先生は、九州最初の支部が結成された牧口先生、二代会長・戸田城聖先生有縁の福岡・八女へ。
横暴な国家権力と戦い抜いた先師の雄姿をしのびつつ、師弟の精神を打ち込んだ。
正しき妙法流布の行動に、怖いものは何もなし!
「王地に生れたれば身をば随えられたてまつるやうなりとも心をば随えられたてまつるべからず」(御書287ページ)
蓮祖の厳たる師子吼の通り、牧口先生は、信教の自由の旗を高く、また高く掲げて、権力という魔物に、真っ向から立ち向かい、戦いを挑んだ。
これが学会魂である。
私は、初代会長のご尊顔を胸に浮かべ、深く決意した。
──いかなる迫害に遭おうとも、私は、断固、広宣流布の指揮をとる。
人間の自由を奪おうとする、ありとあらゆる悪魔と戦う! 民衆の幸福と正義の勝利のために!
私は、地元の筑後方面の方々をはじめ、そこに集いし福岡の指導者に訴えた。
「リーダーは、巌のごとき信念で、『絶対に勝つ』という一念をもて!」
戦いは甘くない。戦う格好だけの、遊び半分の心で、勝てるわけがない。(中略)
いわんや、我らがなさんとするのは、正義と平和の永遠の都を築きゆく、広宣流布という高邁な大闘争だ!
ゆえに、勇気ある先駆の九州の健児は、皆、真剣である。皆、懸命である。
だから、歓喜がわき、知恵がわく。無敵の団結が、あらゆる怪物の障魔を打ち破ることができるのだ。
 
痛烈な地響きを
80年(同55年)4月30日。第5次訪中を終え、長崎に滞在していた池田先生は、列車に乗って福岡へ。
この翌日、県本部長会に出席し、反転攻勢の師子吼を轟かせた。第3代会長を辞任後、本格的な地方指導は九州から始まった。
五月一日、私は九州平和会館(当時)を訪問し、わが福岡の弟子に訴えた。
広宣流布の胸中の旗を断じて降ろしてはならない!」
折伏の修行の法旗を決して降ろしてはならない!」
「一生涯の成仏の、信心の炎の光を消しては絶対にならない!」
私は一回、もう一回と、この言葉を強く繰り返した。
立ち上がれ、大九州の心臓部・福岡の友よ! 先駆の中の先駆・北九州の友よ!
我らの天地から、大反撃の痛烈な先駆けの地響きを起こしゆけ!
戦いの魂を、戦いの牙を、戦いの炎を失えば、わが同志を守れない。
正義を倒さんとする邪悪を滅亡させることもできない。
 
勇気と執念
福岡の誇りは「青年」である。本年は、九州青年部による「5万人の第九」から25周年の佳節。
さらに2001年(平成13年)には「10万人の第九」を実現させ、“民衆の凱歌”を高らかに歌い上げた。
この年に師から贈られた随筆を誉れとし、福岡の同志は今再び、青年を先頭に“先駆の勝ち鬨”を響かせる。
九州は勝った。
大九州は、見事に勝った。
その九州の正義の広宣の総本山は、福岡である。
福岡の王者の風格は、連戦連勝の雄大なる威風を持っている。
わが福岡はアジア大交流の希望の玄関だ。
ここには、アジア侵略という蛮行を犯した日本の軍国主義と、生命をかけて戦われた牧口先生の魂がある。
さあ新たな心の交流を! 新たな友情を!
そして、途絶えることなき信頼の大いなる流れを!
偉大な先駆の九州よ!
新世紀の冒頭より、完勝に先駆する王者の福岡よ!
勇気と執念を燃やし、総力をあげ、大勝利の波を日本中に与えてくれ給え!
信念の先駆の九州よ!
燃えよ、燃えよ、燃え上がれ! わが「火の国」の正義の勇者たちよ!
二十一世紀の夢に見た大民衆の大勝利をよろしく頼む!