名字の言2006・6・22

▼20万余りの犠牲者を出した沖縄戦。島は廃虚と化した。石川の難民収容所は、戦火に追われた約3万 人の人々であふれた。心身共に疲弊し、失意のなか、その日その日を生きることに精いっぱいであった

▼悲しみのどん底にあえぐ人々。そこに、生きる希望と勇気を与えた一人の人物がいた。小那覇舞天(本 名は小那覇全孝)である。彼は、三線を片手に収容所を訪ね、即効の歌を琉球民謡の節にのせてユーモ ラスに歌い踊った。彼は語りかけた。「ヌチヌチグスージサビラ(命のお祝いをしましょう)」

▼“今の状況を悲しむより、生き残った者が、命を祝いましょう”。舞天と接した人々は、はじめは怪訝 な顔をしたという。が、独特のユーモアに乗せられ、ついには一緒に踊り、笑顔を取り戻し、元気にな っていった

▼戦争というこの世の極限状況を経験し、すべてを失ってもなお、私たちには「命」という最高の宝が  る。そのことを舞天は気づかせたのである。

▼あす23日は「沖縄慰霊の日」。「一番苦しんだ人が、一番幸せになる権利がある」とは池田名誉会長 の信念。悲惨な歴史を、輝く未来へと転換していくためにー。生きる喜びにあふれ、希望と勇気の種を まいて、堅固な平和の砦を築いていきたい。  (砦)

わが友に贈る

 煩悩即菩提の信心だ。
 悩みがあるから
 祈りが深まる。
 皆を励ませる自分に
 境涯革命できる。