社説 「7・3」と師弟の精神 2006・7・3

  出獄と
   入獄の日に
    弟子よ 勝て

 「7・3」に寄せて池田名誉会長が詠んだ句である。7月3日は「師弟勝利」の原点の日である。1945年(昭和20年)のこの日、軍部政府の弾圧で2年間にわたって投獄されていた戸田第2代会長が出獄。獄中で殉教した師・牧口初代会長の遺志を受け継ぎ、広宣流布に一人立ったのである。
 
   「権力の魔性」との攻防戦

 さらに、その12年後の1957年(昭和32年)の同じ日、青年部の室長であった若き日の池田名誉会長が、公職選挙法違反という無実の罪を着せられ、大阪府警不当逮捕されている。
 名誉会長は、後に無罪判決を受け、正義が示されるが、この逮捕事件の背後には、民衆のための政治の実現をめざす民衆勢力の台頭を恐れた、権力の陰謀があった。
 万人に「仏」を見る仏法は、生命の尊厳と平等の哲理である。広宣流布とは、その仏法を根底にした民衆が社会の主役となり、幸福と平和を建設することである。
 それに対して、権力は、民衆を支配・隷属させようとする魔性の本質をもつ。ゆえに広宣流布の前進があるところ、権力の魔性との激烈な攻防がある。創価学会はこれまで、その数々の迫害を勝ち超え、人間主義の大潮流を世界に広げてきた。それを可能にした原動力こそ、師弟の金剛の絆である。
 戦時中、獄中にあって、戸田会長はこう祈り続ける。
 「私はまだ若い。どうか、罪は私一人に集まって、先生は一日も早く帰られますように」
 さらに、師の牧口初代会長と共に投獄されたことを、出獄後、感涙のなかでこう述べている。
 「あなたの慈悲の広大無辺は、私を牢獄まで連れていってくださいました・・・・・」
池田名誉会長もまた、罪を認めなければ戸田会長を逮捕するという検事の言葉に悩み苦しむ。そして、衰弱の著しい師の命を守ろうと、ひとまずは一身に罪を被り、法廷で戦うことを決意する。一方、戸田会長は弟子の釈放を求め、弱りきった体で、自ら大阪地検に抗議に訪れ、「弟子を返せ!」と血の叫びを放つ。

    人道の勝利のために立て

 師と学会を守るために、わが身をなげうつ覚悟の弟子。生命をかけて弟子を守ろうとする師匠ーこの指定の団結に学会の不屈の力があり、魂がある。
 師と共に人道の勝利のために弟子が立つ誓いの日こそ、われらの「7・3」なのである。


 わが友に贈る

 新しい人を
 皆で育てよ!
 わが地域に
 新鮮な息吹を。
 人材こそ宝なり。

 今週の言葉
 さあ「青年の月」
 若々しく前進を!
 拡大に挑戦
 新天地を開拓
 師子奮迅の力で!


★イタリア チェルタルド市に『戸田城聖庭園』誕生
 開園指揮は6月17日、晴れやかに行われ、同市のアンドレア・カンピーノティ市長が「人間革命の哲学者」を讃える銘板を除幕した。
 さらに、戸田会長の箴言が掲げられている。
 「貧乏して悩むのも、事業に失敗して苦しむのも(中略)自己自身の生命の発露である。かく考えるならば、いっさいの人生生活は、自己の生命の変化である。ゆえに、よりよく変化して、絶えず幸福をつかんでいくことが大事ではないか」(大白蓮華巻頭言「自らの命に生きよ」)