御書 「経王殿御返事」 2006・7・10

 今日は、新聞が休刊日なので御書を掲載します。

 経王殿(四条金吾の娘)

ひらがな(読み) きょうおうどのごへんじ
用語漢字名 経王殿御返事
用語説明
文永一〇年 (一二七三年) 八月、日蓮大聖人が五二歳の時、佐渡で述作。当時、佐渡の一谷に流罪中の大聖人のもとに四条金吾夫妻が用人をつかわして、幼い子供 (経王殿) の病気平癒の祈念をお願いした。それに対する御返事である。対告衆の経王殿は文面から女児であったと思われる。内容は、先日、四条金吾に与えた本尊は大聖人御自身が全生命を注いで図顕したものであることが述べられ、この御本尊を持った者は必ず諸天善神の加護があり、福運に満ちて幸福な境涯になっていくと記されている。最後にその功徳を受けるかいなかは信心によると教えられている。 →経王御前、四条金吾〔参考〕経王殿御返事〔御〕一一二四
カテゴリ/目的別 宿命転換/宿命転換
御書名/御書ページ 経王殿御返事/御書P:1124
執筆日・場所 文永十年八月 五十二歳御作
御書本文
わざわひも転じて幸(さいわい)となるべし、あいかまへて御信心を出(いだ)し此の御本尊に祈念せしめ給へ、何事か成就せざるべき
通解
災いも転じて幸いとなるであろう。心して信心を奮い起こし、この御本尊に祈念していきなさい。何事か成就しないことがあろうか。
備考
信心する由縁です。

カテゴリ/目的別 信心の基本/御本尊は仏の生命
御書名/御書ページ 経王殿御返事/御書P:1124
執筆日・場所 文永十年八月 五十二歳御作
御書本文
日蓮がたましひ(魂)をすみ(墨)にそめながして・かきて候ぞ信じさせ給へ、仏の御意は法華経なり日蓮が・たましひは南無妙法蓮華経に・すぎたるはなし
通解
この御本尊は日蓮が魂(全生命)を墨に染めながして書き認めたものです。信じていきなさい。釈迦仏の本意は法華経です。日蓮の魂は南無妙法蓮華経にすぎたるものはありません。


カテゴリ/目的別 宿命転換/病気
御書名/御書ページ 経王殿御返事/御書P:1124
執筆日・場所 文永十年八月 五十二歳御作
御書本文
此の曼荼羅能く能く信ぜさせ給うべし、南妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さは(障)りをなすべきや
通解
この曼荼羅(御本尊)をよくよく信じていきなさい。南妙法蓮華経は師子の叫びのようなものです。どのような病気も、(題目を唱える人の幸せを)さまたげることはできません。



カテゴリ/目的別 実践/福運
御書名/御書ページ 経王殿御返事/御書P:1124
執筆日・場所 文永十年八月 五十二歳御作
御書本文
さいは(幸)ひは愛染の如く福は毘沙門の如くなるべし
通解
幸せは愛染明王のように、福運は毘沙門天のように備わっていくことでしょう。



カテゴリ/目的別 信心の基本/信・不信
御書名/御書ページ 経王殿御返事/御書P:1124
執筆日・場所 文永十年八月 五十二歳御作
御書本文
但し御信心によるべし、つるぎなんども・すすまざる人のためには用る事なし、法華経の剣は信心のけなげなる人こそ用る事なれ鬼に・かなぼうたるべし。
通解
ただし(諸天善神の守護も)信心の強さ弱さによります。剣なども、敵に向かって進まない臆病な人には何の役にも立ちません。法華経(御本尊)という剣は、信心の強い勇気のある人であってこそ役に立つのです。これこそ鬼に鉄棒なのです。