小説「新・人間革命」 SGI8 1月11日
これまで、各国・地域の組織が連帯し、仏法を根底に平和と幸福を築き、文化の交流を行っていくために、世界の各州などに協力態勢がつくられてきた。
欧州には「ヨーロッパ会議」が、南北アメリカには「パン・アメリカン連盟」が、アジアには「東南アジア仏教者文化会議」が設けられた。
各国のメンバーは、さらに、それを広げ、全世界を一つに結ぶ、国際的な団体の発足を希望していたのである。
山本伸一も、その必要性を痛感していた。
核戦争の脅威や地球環境の深刻な悪化、また、差別、貧困、飢餓など、現代のかかえる諸問題の多くが、国や地域を超えて、世界が連帯して立ち向かわなければならないテーマだからである。
この地球上から、「不幸」の二字をなくすことは仏法者の使命である。
したがって、国際的な機構の設立は不可欠であり、喫緊の課題であると伸一は考えていたのだ。
そして、前年の春、グアムで世界平和会議の開催が決まると、この席上、国際機構の設置を発表する方向で準備が進められたのである。
当初、準備にあたったのは、海外メンバーの支援などを行う国際センターの職員であった。
十一月には、各国のメンバーの代表で世界平和会議の実行委員会が設けられ、国際機構設立の準備も、この実行委員会が責任をもって進めることになった。
その国際機構は、国際仏教者連盟(IBL)とすることが決まり、規約案もでき上がった。
「この連盟は、日蓮大聖人の仏法思想を根底に、これに加盟する団体及び個人が、その国の平和と繁栄に貢献するとともに、相互の連携と協力によって、全世界の人びとの友好と福祉及び世界平和の実現に寄与するために、その英知を結集することを目的とする」
IBLの役割は、各国の法人・団体などの互助組織的なものとなっていた。各国の代表たちは“これでは何か足りない”と感じた。
彼らが、本当に必要と痛感していたものは、各国の法人や団体の自主性のうえに、誤りのない信心の指導が受けられる機構であった。真実の仏法を学ぶための、依怙依託となる組織であったのである。
語句の解説: ◎依怙依託/「依怙」は頼りにするもの。「依託」は頼る・ゆだねあずけるの意。
欧州には「ヨーロッパ会議」が、南北アメリカには「パン・アメリカン連盟」が、アジアには「東南アジア仏教者文化会議」が設けられた。
各国のメンバーは、さらに、それを広げ、全世界を一つに結ぶ、国際的な団体の発足を希望していたのである。
山本伸一も、その必要性を痛感していた。
核戦争の脅威や地球環境の深刻な悪化、また、差別、貧困、飢餓など、現代のかかえる諸問題の多くが、国や地域を超えて、世界が連帯して立ち向かわなければならないテーマだからである。
この地球上から、「不幸」の二字をなくすことは仏法者の使命である。
したがって、国際的な機構の設立は不可欠であり、喫緊の課題であると伸一は考えていたのだ。
そして、前年の春、グアムで世界平和会議の開催が決まると、この席上、国際機構の設置を発表する方向で準備が進められたのである。
当初、準備にあたったのは、海外メンバーの支援などを行う国際センターの職員であった。
十一月には、各国のメンバーの代表で世界平和会議の実行委員会が設けられ、国際機構設立の準備も、この実行委員会が責任をもって進めることになった。
その国際機構は、国際仏教者連盟(IBL)とすることが決まり、規約案もでき上がった。
「この連盟は、日蓮大聖人の仏法思想を根底に、これに加盟する団体及び個人が、その国の平和と繁栄に貢献するとともに、相互の連携と協力によって、全世界の人びとの友好と福祉及び世界平和の実現に寄与するために、その英知を結集することを目的とする」
IBLの役割は、各国の法人・団体などの互助組織的なものとなっていた。各国の代表たちは“これでは何か足りない”と感じた。
彼らが、本当に必要と痛感していたものは、各国の法人や団体の自主性のうえに、誤りのない信心の指導が受けられる機構であった。真実の仏法を学ぶための、依怙依託となる組織であったのである。
語句の解説: ◎依怙依託/「依怙」は頼りにするもの。「依託」は頼る・ゆだねあずけるの意。