小説「新・人間革命」 共鳴音6 5月24日
記念式典は、いよいよ山本伸一の話となった。
伸一の会長就任十五周年の佳節を刻む式典である。参加者の誰もが、伸一は未来展望などを示す、長時間の大講演を行うものと思っていた。
しかし、大拍手のなか、登壇した彼の話は簡潔であった。
「皆さん、十五年間、大変にお世話になり、本当にありがとうございました!」
参加者への御礼に始まり、創価学会の全会員への感謝と、学会厳護の決意に貫かれたあいさつであった。
「私は、日々、“断じて同志の皆様を守り抜こう”との一念で戦い、広宣流布の指揮を執っております。
また、“必ず全員が幸せになっていただきたい”との思いで、懸命にお一人お一人に、お題目を送っております」
伸一は実感していた。
“学会員は、御本仏日蓮大聖人の御遺命である広宣流布のために、来る日も、来る日も、一身をなげうつ思いで戦い、献身してくださっている。
まさに、学会員こそ、大聖人が召し出された地涌の菩薩だ。一人ひとりが末法の一切衆生を救済せんがために出現した仏なのだ!”
そう思うと、彼の胸には、わが同志を最大に讃嘆し、守り抜いていこうという決意が込み上げてくるのである。
伸一は、話を続けた。
「長い広宣流布の旅路にあっては、雨の日も、嵐の日もあるでしょう。戦いに勝つこともあれば、負けて悔し涙をのむこともあるでしょう。
しかし、勝ったからといって、驕って、虚勢を張るようなことがあってはならないし、負けたからといって、卑屈になる必要もありません。
何があろうが、堂々と、また、淡々と、朗らかに、共々に使命の道を進んでまいろうではありませんか!
前進が加速すればするほど、風も強くなるのは道理であります。したがって、ますます発展しゆく創価学会に、さまざまな試練が待ち受けているのは当然であります。
“まさか!”と思うような、予想外の大難も必ずあるでしょう。だからこそ、日蓮大聖人は『魔競はずは正法と知るべからず』(御書一〇八七ページ)と仰せなんです」
未来を予見するかのような言葉であった。
伸一の会長就任十五周年の佳節を刻む式典である。参加者の誰もが、伸一は未来展望などを示す、長時間の大講演を行うものと思っていた。
しかし、大拍手のなか、登壇した彼の話は簡潔であった。
「皆さん、十五年間、大変にお世話になり、本当にありがとうございました!」
参加者への御礼に始まり、創価学会の全会員への感謝と、学会厳護の決意に貫かれたあいさつであった。
「私は、日々、“断じて同志の皆様を守り抜こう”との一念で戦い、広宣流布の指揮を執っております。
また、“必ず全員が幸せになっていただきたい”との思いで、懸命にお一人お一人に、お題目を送っております」
伸一は実感していた。
“学会員は、御本仏日蓮大聖人の御遺命である広宣流布のために、来る日も、来る日も、一身をなげうつ思いで戦い、献身してくださっている。
まさに、学会員こそ、大聖人が召し出された地涌の菩薩だ。一人ひとりが末法の一切衆生を救済せんがために出現した仏なのだ!”
そう思うと、彼の胸には、わが同志を最大に讃嘆し、守り抜いていこうという決意が込み上げてくるのである。
伸一は、話を続けた。
「長い広宣流布の旅路にあっては、雨の日も、嵐の日もあるでしょう。戦いに勝つこともあれば、負けて悔し涙をのむこともあるでしょう。
しかし、勝ったからといって、驕って、虚勢を張るようなことがあってはならないし、負けたからといって、卑屈になる必要もありません。
何があろうが、堂々と、また、淡々と、朗らかに、共々に使命の道を進んでまいろうではありませんか!
前進が加速すればするほど、風も強くなるのは道理であります。したがって、ますます発展しゆく創価学会に、さまざまな試練が待ち受けているのは当然であります。
“まさか!”と思うような、予想外の大難も必ずあるでしょう。だからこそ、日蓮大聖人は『魔競はずは正法と知るべからず』(御書一〇八七ページ)と仰せなんです」
未来を予見するかのような言葉であった。