きょうの聖教新聞  2008・12・26

★名字の言

▼第2次世界大戦が終結した直後、日本と同様、ドイツでも精神的な空白が生じた。この混乱期、哲学者ヤスパースは、ハイデルベルク大学で連続講義を行う。その冒頭、繰り返し、「語り合うこと」を学生に訴えた

ナチスの時代、イデオロギーが強制され、個人や団体の“つながり”は徹底的に引き裂かれた。戦後のドイツには、民衆の連帯は薄く、国家の“形”しか残っていなかった

▼だからこそ、ヤスパースは強調した。ナチスの悪夢を振り払い、真の再生を果たすには、率直に語り合い、お互いを理解し合うことによる「結びつき」が重要だ、と(橋本文夫訳『戦争の罪を問う』平凡社ライブラリー

▼現在、経済や情報、通信の分野で世界の一体化が広がっており、そこに生じる格差が問題になっている。こうした地球的問題群の解決に向けて、大切なのは、国家や民族、思想などの差異を超え、「人間」という普遍的な次元での連帯感を創出していくことであろう

▼「対話」は、分断と対立の壁を打ち破り、真の友好・相互理解の道を切り開く。困難であっても、いかに道遠くとも、対話を貫きたい。全世界で展開されている我々のこの運動こそ、崩れぬ平和と幸福の王道であるからだ。( 芯 )

アメリカ テキサス州 フラワーマウンド市がSGI会長を名誉市民に
 平和の偉大なる闘士を讃え

★わが友に贈る
 嵐を突き抜けて
 本物は育つ。
 「煩悩即菩提」だ。
 君よ今こそ
 信心の炎を燃やせ!