【第9回】 御書根本の常勝(下)2  2010-5-27

「最前線」が大事
 
 熊谷 「大阪の戦い」の時も、池田先生は、当時の大阪のあらゆる地区に、御書を通して激励を贈ってくださいました。
 
 名誉会長 一番大事なのは、最前線の「地区」であり、「支部」です。御聖訓には、「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(同1467ページ)と仰せです。 日蓮大聖人から、直接、それぞれの地域の広宣流布を託されているのが、創価学会支部長、支部婦人部長であり、地区部長、地区婦人部長です。 そして、若き部長、地区リーダーの皆さん方です。どれほど深い宿縁であり、どれほど大きな福運であるか。
 
 川島 昭和32年の7月17日、池田先生が冤罪による投獄から出獄された時、大阪拘置所の前には、関西の地区婦人部長(当時は地区担当員)をはじめ、多くの女性リーダーも集われたとうかがっています。 そして「負けたらあかん」と、総決起されたのです。
 
 名誉会長 御聖訓には、佐渡流罪の法難の渦中に、師のもとへ駆け付けた乙御前の母を讃えられ、「あなたの信心が、どれほど素晴らしいか――その素晴らしさが現れるために、私は佐渡に流されたのでしょう」(同1222ページ、趣意)とまで、仰せになられています。 学会が一番大変な時に、一心不乱に祈り、戦ってくれたのが、関西の婦人部です。日本中、世界中の創価の母たちです。
 
 川島 池田華陽会も、その心を受け継いでまいります。 池田先生のもと、関西の先輩方が歩み抜いてきた御書根本の常勝の道を、まっしぐらに前進してまいります。
 
 名誉会長 入信直後に、戸田先生から直接教えていただいた御文は、私の原点となっています。 「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり」(同790ページ) 戸田先生は「学会の闘士は、この御文を生命に刻むのだ。絶対に忘れるな」と断言されました。 「大阪の戦い」の時も、常に私の胸奥から離れなかった御文です。 「一念に億劫の辛労」とは、一次元からいえば、自分が一切の責任を持つ「一人立つ信心」から始まる。 勝利といっても、簡単に得られるものではありません。だれよりも真剣に祈り、真剣に思索し、真剣に行動し抜いた果てに、絶対に負けない大生命力と智慧が、わが胸中に泉の如く湧き上がる。 私は、一日が一週間にも、一カ月が一年にも匹敵する歴史を、という決心でした。 「法華初心成仏抄」には、「口に妙法をよび奉れば我が身の仏性もよばれて必ず顕れ給ふ、梵王・帝釈の仏性はよばれて我等を守り給ふ、仏菩薩の仏性はよばれて悦び給ふ」(同557ページ)と仰せです。 私たちの強き一念によって、一切の環境を必ず広宣流布の力へと揺り動かしていけるのです。 私も大阪中を回りながら、全関西のあらゆる人々が、一人でも多く広宣流布の味方となることを、祈りに祈り抜きました。 御書には「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」(1242ページ)との法華経の文も記されている。
 
 熊谷 先生の祈りに、関西の同志も心を合わせて戦いました。当時の先輩方は、仏法対話をやりきって家に帰ると、今度は、会った人の顔を思い浮かべて、一人一人を信心に糊付けするような思いで題目をあげた(笑い)と、語っておられました。
 
今が「まことの時」
 
 名誉会長 関西の友と一緒に拝した「乙御前御消息」の一節には「いよいよ強盛の御志あるべし」「同じ法華経にては・をはすれども志をかさぬれば・他人よりも色まさり利生もあるべきなり」(同1221ページ)とあります。 「志をかさねる」――。戦いは粘りです。執念です。思うようにいかない時もある。しかし、少々のことで、へこたれない。勝つまで何度でも、粘り強く、辛抱強く、忍耐強く戦い続ける。 「関西魂」とは究極の「負けじ魂」です。この不撓不屈の信力・行力に、仏天も応えて動くのです。厳たる仏力・法力の加護があるのです。 また、御聖訓には「此の娑婆世界は耳根得道の国なり」「是を耳に触るる一切衆生は功徳を得る衆生なり」(同415ページ)と仰せです。 勇気をもって正義を語りきることです。「声の力」が人々の心を変える。功徳の華を広げる。国土も大きく変革していくことができるのです。 世界広布の未来は、現在の青年部の君たちで決まる。今が「まことの時」です。 人生も勝負、青春も勝負です。その一切の勝負に勝ち抜くために、仏法はある。 大聖人は、大事な戦いに臨む門下に仰せられた。 「但偏に思い切るべし」「此れこそ宇治川を渡せし所よ・是こそ勢多を渡せし所よ・名を揚るか名をくだすかなり」(同1451ページ) 正義は勝たねばならない。いな勝ってこそ正義である。 御書を根本とした師弟の大闘争こそ「今生人界の思出」であり、三世の栄光です。 断固と勝ちまくって、永遠に輝きわたる青春常勝の金字塔を、威風も堂々と残してもらいたい。関西、頼むよ!