小説「新・人間革命」 人間教育1 2月16日

 創価学会は、どこにあるのか――。
 遠く彼方にあるのではない。自分が暮らし、日々戦い、励ましの歩みを運ぶ、わが地域、わが地区(以前の大ブロック)、わがブロックにこそ、絢爛たる創価の大城があるのだ。
 ゆえに、そこに、「わが組織を見よ。これが創価学会だ!」と胸を張れる、歓喜と麗しき人間共和の実像をつくらねばならない。
 わが組織に――
 功徳の体験の花は咲き薫っているか!
 信心の歓喜と確信はあふれているか!
 宿命の嵐に敢然と挑み立つ、勇気はみなぎっているか!
 仏道修行への挑戦と、切磋琢磨はあるか!
 粘り強い励ましの対話はあるか!
 信頼の絆と団結はあるか!
 皆に創価の師弟の誇りは脈打っているか!
 御聖訓には、「法華経を持ち奉る処を当詣道場と云うなり此を去って彼に行くには非ざるなり」(御書七八一ページ)と仰せである。
 自分が今いる活動の舞台が、「当詣道場」、すなわち、一生成仏のための仏道修行の場となるのだ。したがって、どこか別の世界に、本当の「創価学会」があるなどと考えるのは誤りである。
 広宣流布の建設とは、まず、自分のいる組織を、盤石に築き上げていくことだ。それには、自身が、建設の勇者となることだ。誰かではない。自分が立つのだ。
 一人立つ――そこから、すべては始まる。それが、創価の永遠の精神だ。皆が山本伸一の分身だ。皆が会長だ!
 これが、伸一の、生命の叫びであった。
 一九七七年(昭和五十二年)「教学の年」は、大ブロックの強化をめざし、活動方針の一つに、「座談会運動で魅力ある大ブロックの建設」を掲げてスタートした。
 さらに、毎月、「大ブロック建設週間」を設け、座談会を中心に、全幹部が大ブロックに入り、協議会や家庭指導に力を入れていくことになったのである。