小説「新・人間革命」2011年 9月1日 福光1

春を告げよう!
新生の春を告げよう!
厳寒の冬に耐え、
凍てた大地を突き破り、
希望の若芽が、
さっそうと萌えいずる春を告げよう!
梅花は馥郁と安穏の園を包み、
桜花は爛漫と幸の歓びを舞う、
民衆の凱歌轟く、勝利の春を告げよう!
  
踏まれても、踏まれても、
われらは負けない。
どんなに、どんなに、
激しい試練に打ちのめされても、
頭を上げて、われらは進む。
前へ、前へ、ただただ前へ!
怒濤がなんだ! 大風がなんだ!
  
われらには、
不撓不屈の「みちのく魂」がある。
わが胸中には、
地涌の菩薩の闘魂が燃え、
仏の慈悲の大生命が、
金色燦然と輝いている。
われらには、
この世で果たさねばならぬ
久遠の大使命がある。
万人の幸福と社会の繁栄を築く、
創価の師弟の大願がある。
君よ!
「悲哀」を「勇気」に変えるのだ。
「宿命」を「使命」に転ずるのだ。
暁闇を破り、わが生命に旭日を昇らせゆくのだ!
「みちのく」に春を告げる
新生の太陽となって躍り出るのだ!
  
一九七七年(昭和五十二年)三月十一日、山本伸一は、福島県に向かった。郡山市桑野に完成した福島文化会館(現在の郡山中央文化会館)を訪問するためである。