小説「新・人間革命」 福光 9 2011年 9月10日

青年が育ってこそ、未来は黄金の輝きを放つ。ゆえに山本伸一は、県長らに、青年育成の在り方を詳細に語っていった。
「弘教に限らず、あらゆる活動を進めるうえで大事なのは、?なんのためか?を明らかにし、確認し合っていくことです。
それによって皆が、軌道を外れることなく前進することができるし、力を発揮することができる。
でも、全く弘教をしたことがない青年に、折伏の意義を教え、『頑張ってください』といえば、実践できるかというと、そうではありません。
それだけでは、多くの人が、?自分にはできない?と思うでしょう。
したがって、実際に、どう語っていけばよいのかを、教えていかなければならない。
そのために、先輩である壮年や婦人は、自分はこうして折伏してきたという、ありのままの体験を語っていくことです。
また、青年と共に仏法対話し、実践のなかで、具体的にどうすればよいか、手本を示しながら教えていくことも必要です。
つまり、青年たちが、?そうか。こうすればいいのか。これならば私にもできる。よし、やってみよう!?と思えるかどうかなんです。
人は、?とても自分には無理だ?と思えば、行動をためらってしまう。しかし、?できそうだ?と思えば、行動することができる」
大聖人は、「人のものををし(教)ふると申すは車のおも(重)けれども油をぬりてまわり・ふね(船)を水にうかべてゆ(往)きやすきやうにをしへ候なり」(御書一五七四p)と仰せである。行動をためらわせているものは何かを見極め、それを取り除き、勇気を奮
い立たせることが、激励であり、指導である。
「そして、青年たちが弘教に挑戦しようとしたなら、精いっぱい支えて、その健闘が実を結ぶように応援していくことです。
また、たとえ、その時は実らなくとも、種を蒔いたことを讃えていけば、大きな自信になる。自信は、成長の原動力になります」
青年は、養分を吸収すれば、成長は早い。若竹のように、すくすくと育っていく。