小説「新・人間革命」 福光 13 2011年 9月16日
伸一は、参加者一人ひとりの名前などを聞きながら、懇談的に話を進めた。
「どうか、榛葉県長と一本松県婦人部長を支え、応援し、しっかり団結して、仲良く前進していってください」
それから、榛葉に向かって、厳しい口調で言った。
「榛葉君は、県長になったからといって、自分に力があるなどと思ったり、偉くなったような気になってはいけないよ。
少しでも、そういう思いがあったとしたならば、それは、役職に幻惑された姿であり、傲慢であるということです。
若くして中心者になったということは、未来を期待されてのことであり、必ずしも、力や実績が評価されたからではありません。
年配の同志のなかには、折伏の数にしても、個人指導して立ち上がらせた人の数にしても、君よりも圧倒的に多い方がたくさんいます。
君の何倍も、苦労して、苦労して、苦労し抜いて、今日の創価学会を築いてくださった方は数知れません。
そうした方々を守り、また、仕え、尽くしていくのが幹部なんです」