小説「新・人間革命」 福光 22 2011年 9月27日

山本伸一は、県青年部長の奥津正に言った。
「県長、県婦人部長と呼吸を合わせ、青年の力で新しい福島創価学会をつくっていくんだよ。
また、壮年、婦人は、男子部、女子部、学生部が、伸び伸びと活躍できるように応援してください。
今、どんなに、組織が発展しているように見えても、青年が育ち、さらに、
高等部や中等部、少年・少女部が伸びていなければ、未来の興隆はありません。
青年部は、学会の後継者です。後継者とは、学会を今以上に興隆、発展させていく使命を担っている人ということなんです。
その使命を果たすために、青年部は、まず、信心への絶対の確信をつかんでほしい。それには、体験を積むことです。
「祈り、戦って、自分は、こう悩みを克服した」「こう自分が変わった」という体験を幾つもつかです。
さらに、教学です。?なぜ、日蓮大聖人の仏法が最高だといえるのか??仏法の法理に照らして、どう生きるべきか?などを徹底して学んでいくことです。
そして、師弟の絆を深め、良き同志との友情、連帯を強めていくことです。
私は、牧口先生、戸田先生の殉教の精神と実践、その偉大な人格を知れば知るほど、仏法と学会への、確信を深めることができました。
また、先輩幹部をはじめ、さまざまな同志の体験を聞くことも、自身の確信となっていくでしょう。
善知識である創価の麗しき人の輪は、確信の源泉でもあるんです。
青年部、しっかり頼むよ。未来は、君たちの腕にあるんだからね」
県・圏の代表との懇談会は、青年への激励をもって終了した。
伸一は、それから、会館の中をくまなく回り、戸締まりや各部屋の整理整頓の様子を点検した。
大行事が行われ、祝賀のムードが漂っている時こそ、心に油断が生じがちになる。
その時に魔が付け入り、事故が起こりかねないからだ。