小説「新・人間革命」 共戦 59 2012年 1月24日
山本伸一は、集った人たちに、視線を巡らしながら語った。
伸一は、言葉をついだ。
アルメニアの詩人イサアキャンは、「何があろうとも、人間よ、誇り高くあれ」と詠っている。
誇りは、人間の魂を貫く背骨である。誇りある人は強い。誇りある限り、いかなる困難にも、挫けることはない。
伸一は、ひときわ、力強い声で言った。
「本日は、万感の思いを込めて、防府の皆さんに、句をお贈りしたいと思います。
広宣の 原点ここなり 防府城
そして、信頼する不二の師弟です。その誇りを胸に、勇んで広布の道を走り抜いてください。
では、また、お会いしましょう!」
短時間であったが、防府の友にとっては、忘れ得ぬ、ひと時となった。
伸一が山口文化会館に着いたのは、午後十時近かった。