【第7回】 良き出会いを結ぼう!    2012.11.1

みなさんは、最近、どんな出会いがありましたか? 運動会や遠足、体験学習、また家族で外出して、新しい出会いがあった人もいるでしょう。
 「山は山に出会うことはできない。人は人に出会うことができる」
 これは、ヨーロッパやアフリカで広く伝えられてきたことわざです。
 人間は、動き、語り、良き友と出会いを結んで、いっしよに学び合うことができる。みんなの力を合わせて、大きな歴史をつくることができます。それは、人間として味わえる、何ものにもかえがたい喜びです。
    * * *
 私も、これまで、日本中、世界中の多くの人々と出会いを結んできました。先日も、すばらしい出会いがありました。
 はるばると研修のために来日していた、アフリカの10カ国の青年リーダーたちと会うことができたのです(9月11日)。
 それぞれの国の平和と発展のために立ち上がった、最優秀の勇者たちです。地域によって、ふだん話す言葉は違っていますが、「イタイドウシン(異体同心)!」「ビクトワール(『勝利』のフランス語)!」を合言葉に仲良く団結しています。
 その2日後には、修学旅行中の関西創価小学校の6年生も、東京の信濃町へ訪ねてきてくれました。
 みんな、元気いっぱいで、いい顔をしていました。りりしい瞳が光っていました。希望と決意に燃えて、全員が立派でした。
 私は本当にうれしかった。未来に伸びゆく大樹をあおぎ見る思いがしました。
 さらに、うれしかったことは、この出会いを、関西創価小学校と友情の交流を結ぶ東京創価小学校の6年生をはじめ、みんなが、わがことのように喜んでくれたことです。その美しい心の友とも、私は固い握手を交わす思いでいます。
 たとえ、直接会えなくても、「心」と「心」、「命」と「命」が通い合う出会いがあります。それが、みなさんと私なのです。
    * * *
 みなさんは、この地球上で最も硬くて、最も輝くダイヤモンドは、何によって磨くか、知っていますか?
 同じダイヤモンドで磨きます。
 人間もまた、人間によって磨かれるのです。良き人とつながってこそ、良き生命の光をダイヤのように放っていける。
 人は、良き人と出会った分、成長します。
 反対に、もしも悪い人間にふり回されてしまえば、成長が止まってしまいます。
 日蓮大聖人は、「悪い人間に親しみ近づけば、自然に、十度のうち、二度、三度と悪人の教えに従うようになり、最後は自分まで悪い人間になってしまう」(御書1341ページ、意味)と厳しくいましめられています。
 みなさんの清らかな生命を、悪に染めてにごらせては絶対になりません。
 そして、大聖人は、「信心の志がある人々は、一つの場所に集まって、仏法の話を聞きましょう」(同951ページ、意味)と、みなで共に学び合うことの大切さを教えてくださっています。それが、創価学会の会合です。
 私の子どもたちも、信心は学会の会合で学び、良き先輩や、良き友人との出会いを重ねて成長してきました。でも、時には、会合に行くことが、気の進まないこともあったようです。そんな時、私の妻は子どもたちに言いました。
 「学会の会合は、行く前はいやでも、行った後は、すがすがしい喜びがありますよ」
 実は、私の妻も小学生の時から、会合に参加していました。自宅で行われる座談会に、創価学会創立者である牧口常三郎先生が来てくださったので、近くの駅から手を引いて、ご案内したこともあります。
 ですから、学会の会合のすばらしさを、強く実感してきたのです。
    * * *
 学会の会合には、体験談があります。
 体験談では、いろんな悩みを乗り越えてきた戦いと、勝利のドラマが語られます。
 みな、何があっても負けないで、題目を唱えて、強く明るく前進しようとしています。そして、がんばっている人を、みんなが、家族のように「大丈夫! いっしょに勝とうね!」「私たちも、祈るからね!」などと励ますのです。こんな、良き人たちの集まりは、ほかにはありません。
 私が対談したアメリカの有名な歴史学者のハーディング博士も、SGI(創価学会インタナショナル)の座談会に参加し、感動されていました。
 創価の励ましの世界に注目する博士は、語られています。
 ──つらい現実を変えるには、私たちにはできるのだと励まし合うことが大切です。その一つの方法は、いろんな人の体験を聞くことです──と。
 人と会い、体験を語り合う。学会の会合は「希望」と「勇気」をみなで分け合う集いです。だから、誰にも喜びがわくのです。
 11月18日は、学会の創立記念日です。学会は、初代会長・牧口先生、2代会長・戸田城聖先生の時代から、こうした希望の集いを地道に粘り強く積み重ねてきました。
 牧口先生が中心となった座談会は、一番苦しい戦争中の2年間でも240回以上、開催されたという記録があります。
 私が戸田先生と初めてお会いしたのも、座談会です。私は、「正しい人生」を教えてくれる人を求めていました。信仰のむずかしいことはわかりませんでしたが、私の質問に、先生は誠実に答えてくださいました。
 「この人なら」と、私は信じることができました。先生のもとで、先生と共に、広宣流布という平和と全人類の幸福を目指す、大運動に生きゆくことを決めたのです。
 そして今、学会は世界192カ国・地域に大発展し、24時間、この地球上のどこかで生き生きと座談会が行われています。
    * * *
 座談会で、少年少女部のみなさんが大活躍してくれていることも、たくさん、うかがっています。
 みなさんは、気づいていますか? 参加している人たちが、笑顔でみなさんを見つめ、拍手を送り、喜んでいることを!
 なぜなら、みなさん自身が「希望」だからです。みなさんと会うだけで、みなさんの姿を見るだけで、みなさんの元気な声を聞くだけで、人は心に「希望」を感じるのです。
 座談会で、心に「希望」を受け取った人が家に帰れば、その人の家に「希望」が広がります。一つの家に「希望」が広がれば、地域や社会にも大きく広がっていくでしょう。
 それは、やがて世界にも広がります。
 そして、世界中の人が希望を持って生きることができれば、悲しみにも負けず、みんなが幸福で平和に暮らせるはずです。
 良き人と、どれだけ出会いを重ねることができるか──これが、みなさんのこれからの偉大な使命の人生です。その出会いは、地球の未来をも明るく照らす光です。
 この1カ月も、私は、大好きなみなさんと心の語らいを重ねながら、祈り、見守っています。
 風邪などひかないように! お元気で!