【第8回】 時間は宝 (2012.12.1)
もうすぐ2012年が終わり、2013年が始まります。
私にとって、この一年、新しい、そしてすばらしい語らいがありました。それは、この「きぼう新聞」で、毎月、みなさんと進めてきた、心と心の対話です。来年も、もっともっと語り合つていきましょう!
みなさんは、どんな一年でしたか?
新しい友だちができた人、楽しい思い出がたくさんできた人もいるでしょう。
なかには、友だちとけんかをしたり、勉強でつまずいたり、つらい思いをした人もいるかもしれません。
でも、心配いりません。「終わり良ければ、すべて良し」という言葉があります。
終わりが良ければ、その一年を、全部、良い年にすることができ、希望に燃えて、次の年へ良いスタートがきれるからです。
だから、これまでがどうあれ、くよくよせず、「よし、この12月を、がんばろう!」と決意して挑戦すれば、いいんです。
すべては「今から」「これから」「きょうから」始まるのです。前へ前へ、朗らかに粘り強く進んでいけば、失敗したことだって、次の成功につなげることができる。
「今」をがんばれば、「過去」さえも光らせ、「未来」をいくらでも開いていける。
大切なのは、「今は何をする時なのか」と考えて、それをやりきることなのです。
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みなさんの中には、「雪山の寒苦鳥」の物語を聞いたり、読んだりした人もいるでしょう。古くから伝わる仏教のお話です。
──昔、インドの雪深い山に、寒苦鳥と呼ばれる鳥が暮らしていました。
雪山の夜はそれはそれは寒くて、寒苦鳥は「寒くて死にそうだよ」「夜が明けたら、さっそく巣を作ろう」と鳴いていました。
しかし、夜が明け、お日さまが出ると、あたたかくなり、寒苦鳥は巣を作るという「やるべきこと」を忘れて、遊び続けてしまいました。すると、また夜になって、寒くて、つらくて鳴きました。
こうして寒苦鳥は、夜は寒さに苦しみ、昼は遊び続ける日々をくり返しました。そして、とうとう巣を作ることなく、さびしく一生を終えてしまったというのです。
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楽しい時間は、なぜか、あっという間にすぎるのに、つらい時間はとても長く感じるものです。みなさんも、やらなければならない課題をほったらかしにして、大変な思いをしたことがありませんか。
私も、夏休みの図工の宿題を忘れたまま新学期をむかえ、苦しい思いをしたことがあります。今でも思い出します。
人は、だれでも、苦手なことがあります。やりたくない時も、あるでしょう。
きらいなことや苦手なことを後回しにするのは、ちょっと楽なように見えます。でも、じつは、後回しにすればするほど、気分が重くなり、めんどうになります。
巣を作るべき時に作らず、遊んでしまった寒苦鳥のように、後になって苦しまねばなりません。
勉強や宿題は、するべき時にしてしまえば、後の時間を、伸び伸びとやりたいことに使えます。そのほうが、価値的ではないでしょうか。
もちろん、遊びや休みの時間も必要です。
「今は勉強だ!」「今は本を読もう!」「今は遊ぼう!」「今はゆっくりしよう!」と、時間帯を自分なりに決めて使うことです。そうやって時間を大切にしていけば、楽しい、じゅうじつした時間を、何倍にも増やすことができます。
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そうは言っても、「やりたくないことはできないよ」という人もいるでしょう。
そんな、みなさんに、きょうは、とっておきの方法を教えましょう!
それは、自分の夢や目標を、紙に書き出すことです。言葉には、ふしぎな力があります。書いた言葉が、君を、あなたを、自分の夢や目標に導いてくれるのです。
最近の研究でも、書くことによって、脳がしげきされ、“がんばろう!”という気持ちがわいてくることがわかっています。
紙に書いたら、題目を唱えましょう。
題目を唱えれば、夢や目標を“必ず実現してみせるぞ!”という、師子王の勇気がわいてきます。
そして決意したら、行動しましょう。
行動する時にも、できれば、みなさんにためしてほしいことがあります。
それは、きょうの「勝利メモ」を作ることです。
むずかしいことではありません。
まず、きょう1日のあいだに、「やりたいこと」「やらなければならないこと」を書き出します。それに「順番」と「時間」を決めれば、できあがりです。
この「勝利メモ」を見れば、「今、何をする時間なのか」が、はっきりします。できたことには、しるしをつけてください。これを、毎日、くり返します。
作るのがむずかしかったら、お父さん、お母さんや、未来部担当の方たちに、相談してみてください。だんだん、自分でできるようになります。
創価学会には、「決めて、祈って、行動する」という「勝利のリズム」があります。みなさんのお父さんやお母さん、先ぱいの人たちも、このリズムで、自身の目標に挑戦し、勝ち越えてきました。
みなさんも、「決めて、祈って、行動する」を合言葉に、1日また1日、大勝利の青春を歩んでいっていただきたいのです。
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1日24時間は、だれにも平等です。
しかし、大切に使えば、1日を1週間分にも、1年を10年分にもできる。私は、そう決心して生きてきました。若いころは病弱で、医者から「30歳まで生きられない」と言われた体でした。だからこそ、時間を惜しんで学び、働き、戦いました。
仏法では、「一日の命は、宇宙の全財宝を集めた以上の宝です」(御書986ページ、意味)と説かれます。
時間は命です。かけがえのない宝です。
時間を大切にする人は、命を大切にする人です。
命を大切にする人は、平和を築く人です。
「使命」とは、「命を使う」と書きます。
だれのために、何のために、時間を使うのか──。
私は、学会の同志のために、世界を平和にするために、真剣勝負で命を使ってきました。
そんな私の願いは、みなさんが、じゅうじつした「時間」をつくって、成長してくれることです。みなさんが、勝ったと言える一年一年を前進してくれることです。
そして、いつの日か、お父さん、お母さんのために、世界の人の幸福と平和のために、その大切な「時間」を使って、がんばってほしいのです。
未来に生きるみなさん方のために、私はこれからの「時間」のすべてを使っていく決心です。みなさんのためならば、何も惜しくはありません。
お日さまのしずむ時間が日に日に早くなり、寒さもいよいよ厳しくなってきました。大切な大切な未来部の全員の健康を、私と妻は、毎日毎日、祈りぬいています。
どうか、一人ももれなく健康・無事故で、楽しいお正月をむかえてください。
来年も、いっしょに、朗らかに、語らいの時間をつくりましょう!