第14回 平和とは勝ち取るものだ (2012.8.15付 創価新報)

「生命尊厳」の哲理を語れ
 平和は、遠くにあるのではない。それは、わが足元から生まれる。一人の友と友情を結ぶところから始まる。
 戦争の犠牲になってきたのは、常に青年である。ゆえに、青年が断固と平和への戦いを起こすのだ。若き平和の連帯を広げるのだ。残酷な戦争がない、そして誰もが、この世に生まれて良かったと思える社会、幸福を満喫できる世界を、青年の力で作ってもらいたい。
 平和とは、戦い、勝ち取るものだ。平和の究極は広宣流布である。
 御書には「一切衆生には皆、仏性がある」(1382ページ、趣旨)と説かれる。
 皆が尊極の仏の生命をもっている。互いが互いを尊重していくことが、最も正しい平和への道なのである。だからこそ、この「生命尊厳」の大仏法を、青年が青年に語るのだ。
 
創価の師弟の魂に続け
 戦時中、軍部政府と戦った初代会長の牧口先生は、獄死なされた。生きて獄を出られた戸田先生は師の仇を討つと決めて、戦後の廃墟に一人立ち、平和への大闘争を開始された。
 私は、この師の心を継ぎ、権力の魔性と戦い抜いた。世界に友情の橋を架け、人類を結ぶ平和と文化と教育の連帯を広げてきた。
 徹して一人を大切にし、人間を不幸に陥れる魔性とは断固として戦い抜く──これが、平和を誓った創価の師弟の魂である。
 
「民衆の力」を強めよ
 日蓮大聖人は、戦乱や人々の苦悩が打ち続く乱世の本質を「民衆の力が弱まっている」(御書1595ページ、趣旨)と喝破なされた。
 戦争をなくすためには、民衆が強く、賢くなる以外にない。そして世界の民衆が、心と心をがっちりと結び合わせていくことだ。
 ゆえに青年よ、良き友と仲良く強くあれ!
 正しき哲学と共に鋭く賢くあれ!
 目の前の課題に勇敢に取り組みながら、自身の「人間革命」に粘り強く挑戦しよう!
 自分と友の幸福のため、社会と国土の繁栄のため、地球全体の平和のため、祈り、学び、語り、動き、戦い、勝ち進んでいくのだ。