新年のメッセージ 2014年

新年のメッセージ

創価学会インタナショナル会長 池田大作

世界の平和へ 新たな飛翔を

「世界広宣流布」の新時代、すなわち「世界の平和」「社会の繁栄」「人類の幸福」へ、生命尊厳の大連帯をいやまして拡大しゆく新時代が、晴れやかに開幕しました。
    
 全世界の誉れの同志の皆様!尊き宝の友人の皆様! 新たな一年も、ますます健康で生き生きと、いよいよ快活に若々しく、いやまして和楽で仲良く、前進していこうではありませんか!

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 人問は、何のために、この世に生まれてきたのか?
私たちが、日々、読誦している「法華経寿量品」の一節には「衆生所遊楽(しゅじょうしょゆうらく)」(衆生の遊楽する所なり)と説かれております。
 人間は、決して、苦しんで不幸になるために生まれてきたのではない。この世に、たとえ、どんな苦しみや不幸があろうとも、断じて負けないで、真実の楽しみをつかみ、幸せを勝ち取るために、生まれてきたのである。法華経の精髄は、そう示しているのであります。

 日蓮大聖人は、「衆生所遊楽(しゅじょうしょゆうらく)」の「遊楽」とは、私たち が、自分自身の生命を、最極の妙法の当体として光り輝かせ、自由自在の仏の大境涯を問いていくことであると、教えてくださっております。

 そして、「衆生」とは「一切衆生」つまり全人類のこと であり、「所」とは「一閻浮提(いちえんぶだい)」つまり全世界のことであると明かされております。
 ですから、いずこの国であれ、いかなる民族であれ、いかに苦難の打ち続く時代であれ、誰人たりとも、自分がいる、その場所で、「生きていること、それ自体が楽しい」という絶対的な幸福の生命の讃歌を謳い上げていくことができる。この希望と歓喜の勝利劇を、皆で励まし合いながら、一人また一人と広げゆくことが、私たちの広宣流布の大運動であります。

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 その幸福の実証は、今、世界192カ国・地域に爛漫(らんまん)と広がりました。
 この50年、南米の天地で、広重流布の道なき道を問拓してきた女性は、見違えるように変わった福徳の足跡を、しみじみと語ってくれました。
 学会活動に徒歩で駆け回っていた時代から、今は愛車を使って自在に走り回り、立派な会館へ友人と一緒に晴れ晴れと集い合える時代になりました。無理解や偏見の反発が打ち続いた時代から、大きな信頼と賞賛が絶え問なく寄せられる時代にまでなりました。それは、学会伝統の「信行学」の実践に徹し、「座談会」を地道に変わらずに積み重ねてきたからだと思います。広宣流布のために、汗と涙を流し、苦労したことは、すべてが宿命転換の力となり、大福運に変わります。そして、創価の「平和」と「文化」と「教育」の行進とともに、わが地域が明るく発展し、わが国土も興隆していることが、何よりうれしい、と—。

 私は、世界の各国・各地で、良き市民、良き国民として、労苦を惜しまず、広宣流布と社会貢献に奮闘されている同志を、一人も残らず、万雷の大拍手で賛嘆したい思いでいっぱいです。

 御聖訓には、「しをのひると・みつと月の出づると・いると・夏と秋と冬と春とのさかひには必ず相違する事あり凡夫の仏になる又かくのごとし、必ず三障四魔と申す障(さわり)いできたれば賢者(けんじゃ)はよろこび愚者(ぐしゃ)は退(しりぞ)く」(御書1091ページ)と仰せです。

 人生も、社会も、試練との戦いの連続であります。
 しかし、賢者は、何が競い起ころうとも、喜び勇んで立ち向かい、一つまた一つ、断固と勝ち越えて、偉大な「人間革命」の道を突き進んでいくのです。
 正しき信仰は、真の賢者をつくり、そして賢者と賢者を結びゆくカです。
 幾多の困難な課題に直面する地球上に、金剛不壊(こんごうふえ)の賢者のスクラムを、いかなる差異も超えて、仲良く朗らかに拡大しゆくところに、世界宗教の大いなる使命があるとはいえないでしょうか。

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 現在、私は、ニュージーランドの世界的な平和学者クレメンツ博士と、対談を重ねております。
 博士は、第2次世界大戦中、戦争反対の信念を貫いて投獄された父君の志を継いで、世界の不戦と核兵器の廃絶のために戦ってこられた知性です。
 その博士が語られた言葉が、私は深く胸に響いております。
「本当の意味での平和な社会、そして慈悲のある社会を構築するために一番必要なものは、実は勇気なのです」と。

 仏法の真髄も、また「勇気」であります。
 この勇気に燃えた若き世界市民の群像は、世界中に躍り出て、法華経に記された通り、「平和」と「共生」の社会を建設するために、尊き地涌の舞を繰り広げてくれています。

「南無妙法蓮華軽は師子吼の如し」(同1124ページ)と仰せの如く、題目は究極の勇気の音律です。今、創価の師弟の勝利の証しとして完成した「広宣流布大誓堂」をはじめ、全世界で平和を誓願する題目の師子吼(ししく)が轟(とどろ)き、地球という青く美しき星を包む時代となりました。

 さあ、世界宗教として、新たなる飛翔を遂げゆく、千載一遇(せんざいいちぐう)のこの時、何ものをも恐れず確信の対話に打って出て、苦悩に沈む友に希望の励ましを送りながら、民衆が幸福に躍動する「衆生所遊楽」の世界を築きゆこう!
と申し上げ、新年のメッセージとさせていただきます。

 敬愛する皆様方のいよいよの健康長寿、そして御一家の御多幸を心よりお祈り申し上げます。

                         2014年 元旦
(2014年1月 SGIグラフ掲載)