激闘41  2014年5月9日

九州研修道場から鹿児島会館までは、車で一時間半ほどの距離である。車中での山本伸一と利安真吉の語らいは弾んだ。
伸一は、広宣流布のリーダーの在り方について語り始めた。
「組織の中心者が常に心していかなければならないことは、皆が楽しく、生き生きと活動に励めるように、創意工夫を重ねていくことです。
テレビや洗濯機、冷蔵庫など、電化製品を見ても、毎年、さまざまな改良が加えられ、進化しているではありませんか。
いつも同じことだけをやって、良しとしていたのでは、その組織は、時代遅れの白黒テレビのようなものです。
座談会などの日常的な伝統行事が重要であることはいうまでもありません。
そのうえで、希望が膨らむ大きな行事を考えていけば、皆が楽しく、いかんなく力を発揮し、組織の総合力も強まっていくんです。
たとえば、合唱祭や文化祭には、斬新さがあります。そして、行うとなれば、多彩な人材が必要になります。
そこで、各部の幹部は、多くの人を個人指導し、その催しに参加する意義を訴えるとともに、広宣流布の主体者の自覚を促していかねばならない。
つまり、それを機に、人材を掘り起こし、一歩踏み出した活動を展開していくことができる。これが大事なんです。
また、出演者たちは、当日までに、弘教を実らせることなどを誓い合い、練習に取り組んでいくでしょう。
さらに、その日をめざして、自分のかかえている悩みを克服しようと、決意する人もいるでしょう。
皆が、唱題にも真剣に励み、新たな挑戦を開始することができる。
学会の活動というのは、一人ひとりの信心の活性化につながるものであるし、また、そうさせていかなければなりません。
各人が、自身の成長と境涯革命、また、功徳を実感していくための催しなんです」
移動の車中は、伸一にとって格好の個人指導の場であった。