激闘50  2014年5月20日

山本伸一のもとに集って来た創価大学出身の青年部員は、一期生から、この年の春に卒業したばかりの四期生であった。
伸一は、皆の近況などを尋ねていった。メンバーは、新聞社や自動車販売会社、市役所等に勤務し、鹿児島県繁栄の力になろうとの、強い思いをもっていた。
しかし、一期生でも、まだ就職して三年で、いわば下積み時代である。仕事と学会活動を、どう両立させるかなどで悩んでいた。
伸一は言った。
「今は、ともかく職場で実証を示し、なくてはならない人になることが大事です。
同時に、創価学会の組織こそ、自分が根を張る大地であると、心を定めることです。
人間的成長を図り、幸福境涯を築いていくための養分は、学会という大地から吸い上げていく以外にありません。
したがって、何があっても、学会の組織から離れないことが肝要です。
もちろん、「会合に出たい。学会活動したい」と思っても、仕事が多忙なために、十分に動けない時期もあるでしょう。
しかし、「忙しいから仕方がない」と、心の中で、信心、学会活動を切り捨ててはならない。
まして、それほど忙しくもないのに、活動に出ようとしないのは、わがままであり、敗北です。
どこまでも学会と共に生き、広宣流布をわが生涯の目的と定め、弘教し抜いていくというのが、学会員としての生き方の原点です。
仕事が忙しく、会合に出られない時こそ、「必ず、活動に参加できるようになろう」と、心に決めるんです。
その一念が成長につながっていくし、やがて事態を変えていく力になっていきます。
そして、一生懸命に、御書をはじめ、『聖教新聞』などを読み、学会活動できるように真剣に唱題するんです。
また、少しでも時間を見つけては、同志と会い、広宣流布への決意を新たにしていくことが大切です」
孤立は、勇気、活力を奪っていく。同志の連帯が、生命の燃焼をもたらすのだ。