激闘51  2014年5月21日

山本伸一は、集って来た青年たちが、信心のことで、職場の先輩や同僚たちから、批判されることもあるのではないかと思った。
「もしも、信仰について、とやかく言われることがあっても、『信教の自由は憲法で保障されているではありませんか。
激流の社会で生き抜いていくには、確かな哲学が必要です。
仏法というのは、その哲学の根本なんです』と、胸を張っていくんです。
草創期の学会員の多くが、信心をしているということから、職場で意地悪をされたり、仲間外れにされたりしてきた。
でも、そのなかで堂々と信心を貫き、職場で勝利の実証を積み重ね、信頼と尊敬を勝ち取ってきたんです。
諸君も、そうなってください」
メンバーの一人は、鹿児島に帰ってきたが、就職先が見つからないことを報告した。
「そうか。大変だな。仕事は、生きるために不可欠なものだから、必ずしも、自分が希望する職場ではなくとも、我慢することも必要です。
多少、給料が安くとも、あるいは、大きな企業ではなくとも、まず就職して生活という足元を固めることです。
そして、そこで、三年間はしっかり根を張り、それを足がかりにして、次の職場に移るという方法もあります。
初めから、いい条件の職場というのは、なかなかありません。
太閤秀吉だって、最初は草履取りだったではありませんか。
そのなかで一つ一つ信頼を勝ち取っていった。千里の道も一歩からです。
かつて、ある著名な評論家と会談しました。
その人は、『今は、自分の作品が売れているが、もし売れなくなったら、人力車を引いてでも、女房、子どもは食わせていく』と語っ
ていた。その心意気が大事です。
ともかく、広宣流布の使命を果たしていくために仕事を与えてください。道を開いてくださいと、しっかり祈っていくんです。
広宣流布につながる祈りは、仏・菩薩の祈りであり、その真剣な唱題が大宇宙をも動かしていきます」