激闘52  2014年5月22日

自動車販売会社に勤務する青年が、山本伸一に報告した。
「私は四期生で、今春から社会人になりました。
実は、就職試験の面接で、社長が、『一度、学会本部に行ったことがあるが、受付の女子職員の応対が実にすばらしかった。
日本一だ!』と語っておりました」
すかさず、伸一が言った。
「君も、そう言われる存在になることです。
もし、その社長さんにお会いする機会があったら、私が、『学会本部においでいただき、誠にありがとうございました』と深謝していた旨、丁重に伝えてください」
伸一は、一人ひとりに視線を注いだ。
「みんな、頼もしいな。鹿児島を頼むよ。九州を頼むよ」
「はい!」
決意のこもった、さわやかな声が響いた。
翌日の五月十七日、伸一は午後一時前に九州研修道場を発って、空路、福岡に向かった。
福岡では、博多区の九州平和会館(現在の博多平和会館)を視察したあと、同区内の九州文化会館(現在の福岡中央文化会館)で行われた九州最高会議に出席した。
最高会議での協議の結果、福岡県男子部の第三回総会を七月上旬に、福岡支部結成二十二周年を祝う福岡県総会を九月に開催することなどが、決定したのである。
また、席上、伸一は、個人指導の在り方について語っていった。
彼はこれまで、全会員が誤りなく幸福の大道を歩んでいくためにも、組織を強化して広宣流布を伸展させていくためにも、個人指導の重要性を強調してきた。
そして、全幹部が個人指導に励もうとする機運が、学会内にみなぎり始めていたのである。
人はそれぞれ、置かれた環境も異なれば、性格も、悩みも、千差万別である。ゆえに、仏法の普遍的な法理を踏まえたうえで、一人ひとりに光を当て、胸襟を開いた語らいが、個人指導が、大事になるのだ。