激闘61  2014年6月2日

山本伸一は、さらに、座談会のもつ、現代的な意義について語っていった。
 「座談会は、仏法を現代に展開していく学会の伝統行事といえます。
 座談会では、御書をはじめ、仏法のさまざまな法理も学びます。そして、その法理を、
それぞれが自身の生活の場で実践して、体験をもって正しさを証明してきました。さらに、
その体験を座談会で語り合い、仏法への確信を再確認し合ってきました。
 仏法の法理を生活の場で実験証明した結果が、生き生きと語り合われる座談会には、仏
法を社会に開く実践的展開があります。
 ゆえに、広宣流布の前進は、座談会に始まり、座談会に終わることを、深く銘記してい
ただきたいのであります」
 ここで伸一は、?司会?に戻り、「それでは、用意していた体験を聞かせてください」と、
参加者に笑顔を向けた。
 壮年と婦人の代表が、体験を語った。それぞれが自己の宿命と戦い、苦境の壁を乗り越
え、見事に信心で勝利を打ち立てた体験であった。
 伸一は、「元気がいいね。実感がこもっています」「すばらしい体験です」と、賞讃を惜
しまなかった。
 次いで、この日、同行していた、副会長の森川一正があいさつしたあと、伸一は、要約
して信心の基本姿勢について語った。
 「南無妙法蓮華経とは、宇宙の根本法則であり、それを曼荼羅として顕したのが、御本
尊であります。その御本尊に対しては、何があっても決して疑うことなく、純粋な信心を
貫いていくことが肝要なんです。
 私たちには、過去世からのさまざまな宿業があります。悪業ももっています。したがっ
て、信心を始めたからといって、すぐに宿命の転換ができるわけではありません。一生成
仏といっても、それなりの時間が必要です。
 ?なぜ、自分だけが、こんな目に遭うのか?と思うようなこともあるでしょう。しかし、
必ず宿命を転換していくことができるんです」