激闘68  2014年6月11日

貧しさに耐え、病に苦しみ、蔑まれ、諍いに疲れ、生きる気力さえ失った友を励まし、その心に、妙法という勇気と希望と蘇生の火をともし続けてきたのは誰か!
社会の底辺に追いやられてきた民衆を、社会建設の主体者として立ち上がらせ、立正安国の道を切り開いてきたのは誰か!
冷笑、非難、中傷、罵詈、罵倒……の飛礫にさらされても、友のために、不幸に泣く人のために、汗を流し、足を棒にして、来る日も、来る日も、広宣流布に走り抜いてきたのは誰か!
上品ぶった偽善家は眉をひそめて見て見ぬ振りをし、保身の批評家が背を向けた、苦悩する人びとのなかに、創価の同志は飛び込み、事実の上に、民衆勝利の旗を打ち立ててきたのだ。
本部幹部会で、山本伸一は力強く訴えた。
広宣流布を現実に推進している創価学会の活動こそ、社会の一大変革運動であります。そして、それは、地涌の菩薩の行の実践であり、日蓮大聖人の『本門』の教えの実践にほかなりません。私どもは、『本門』の大道を進む誇りを胸に、勇躍、新たな前進を開始していこうではありませんか!」
賛同の大拍手が起こった。
単なる決意に終わってはならない。勇気ある行動だ! 果敢なる実践だ!
参加者はほおを紅潮させながら、広宣流布誓願し、平和原点の地・広島から、新しい挑戦への第一歩を踏み出したのである。
五月二十一日、伸一は、首脳幹部との協議の合間を縫い、会館に集ってきた人びとを個人指導するなど、激励に次ぐ激励を重ねた。さらに、メンバーと勤行もした。
そして、午後一時半過ぎ、広島文化会館を発って岡山へ向かった。岡山県女子部の第一回合唱祭に出席するためである。
伸一の体調は、決して思わしくなかった。疲労が蓄積していた。しかし、「岡山へ行こう。女子部が待っているんだもの。励ましたいんだ」と、車に乗り込むのであった。