激闘69  2014年6月12日

岡山県女子部の合唱祭は、五月二十一日午後四時前から、岡山文化会館(現在の岡山南文化会館)で開催された。
  
 ♪ああ新世紀 時来たる
  今ひらけゆく 金の道
  春の曙 創価山 創価
  私の あなたの 青春桜
    
合唱祭のフィナーレは、七百五十人の出演者による女子部歌「青春桜」の大合唱であった。
この歌は、二カ月前の三月十六日に行われた青年部総会を記念して発表されたものだ。
山本伸一が女子部長らに、「歌詞を見てください」と頼まれ、筆を加えた歌である。
彼は、全生命を注ぐ思いで、新時代を開く「魂の歌」にしようと、詞を練り上げていった。
手直しした箇所があまりにも多く、出来上がった歌詞は、ほとんど原形をとどめていなかった。
女子部員は、伸一の心をかみ締め、この歌とともに、新世紀へのスタートを切ったのだ。
合唱祭は美事であった。伸一は、はつらつとした歌声に未来への希望の光を見た。
中国広布は、草創の時代、岡山を中心に進んできた。その後、広島が中国方面の事務機構の中心となった。
しかし、岡山は「中国の雄」との誇りと気概をもち続けてくれていた。
合唱祭には、その心意気からほとばしる、歓喜と躍動の音律が弾んでいた。伸一は嬉しかった。
あいさつに立った彼は、宣言した。
広宣流布の大情熱を、信心の結晶を、私は見ました! 岡山は、まことに健在であることを天下に証明しました! 勝利しました」
既にこの年、伸一は、東京を除いて、四国、関西、関東、東海道、中部、九州、中国の七方面、十六府県を訪問していた。
「命ある限り、私は戦う。仏子には指一本も差させぬ。魔軍よ、嵐よ、われに競え!」
闘魂が、無限の大生命力を涌現させる。
彼は、二十二日に東京に戻ると、二十七日には東北へ飛んだ。 (この章終わり)