求道 1  2014年6月13日

青葉には希望がある。未来に伸びゆく若々しい力がある。青葉──それは、限りない可能性を秘めた東北を象徴していよう。
杜の都・仙台は、美しい青葉の季節であり、街路樹のみずみずしい緑がまばゆかった。
一九七八年(昭和五十三年)五月二十七日午後二時二十分、仙台空港に到着した山本伸一は、車で、仙台市の錦町に完成した東北平和会館(現在の青葉平和会館)へ向かった。
伸一の車には、長く東北を担当した副会長の関久男と、東北総合長である副会長の青田進が同乗していた。伸一は、語り始めた。
「東北創価学会は強くなったね。東北の同志の強さは、チリ津波や冷害など、試練に遭遇するたびに、困難をはね返し、ますます広宣流布の勢いを増してきたことにある。
蓮華が泥沼に咲くように、苦難のなかで広布の使命を自覚して、それぞれが人間としての強さと輝きを発揮し、信仰の力を示してこられた。
最悪な状況のなかでも、怯むことなく、自らの生き方を通して、仏法の偉大さを証明してこられた。まさに、その姿こそが、地涌の菩薩です。仏を見る思いがします。
東北には、何があっても、?負げでたまっか!?という意気込みがある。それこそが、『学会魂』です。だから私は、東北の同志を、心から尊敬しているんです。
一人ひとりが、その強さにますます磨きをかけていくなかに、自身の一生成仏と東北繁栄への大前進がある。すごい時代が来ます」
車の助手席に座っていた青田が言った。
「そのためには、どこまでも組織の第一線で戦う皆さんに照準を合わせ、すべての活動を、そこから組み上げていくことが大切ではないかと思いますが……」
「そうです。私は、第一線の会員の方々にこそ、最高幹部の指導や体験を聞いて、信心への強い確信をもってもらいたい。
ゆえに、副会長や県長などの幹部は、直接、会員の皆さんと会い、語り合う機会を、徹底してつくってほしいんです。いや、断じて、そうしていかなければならない」