求道2  2014年6月14日

山本伸一は、最前線の会員に照準を合わせた活動について、具体的に語っていった。
「会員の皆さんが、信心の栄養を吸収できる場は、座談会になります。
したがって、座談会を、信心の歓喜と確信に満ちあふれたものにするために、幹部であればあるほど、最大の力を注いでいかなくてはならない。
また、皆がしっかりと教学を研鑽できる場は、御書学習会です。
ゆえに、最高幹部から率先して御書学習会を担当し、「仏法とは、こんなにも深いものなのか! よし、頑張ろう!」と、皆が決意できるような、魅力あふれる講義をしていってもらいたい。
ところが、方面幹部や県幹部は、県で行う支部長会など、幹部の会合が盛会であれば、良しとしてしまう傾向がある。
大切なのは、それを受けて行う支部や大ブロック(現在の地区)、ブロックの会合です。そこが、一人ひとりの会員の皆さんに、信心のエネルギーを与えるものになっているかどうかなんです。
組織が大きくなると、方面や県の幹部の意識が第一線から離れ、本部長や支部長などしか、見えなくなってしまうことがよくあります。
そうなると、すべての運動は、上滑りしていってしまう。
常に見失ってはならないのが、最前線の会員の皆さんです。
私は、さまざまな立場の幹部に、『組織の皆さんはお元気ですか』と尋ねます。その時に、誰を「皆さん」として思い浮かべるのか。
自分の身近にいる幹部なのか、それとも会員の方たちなのか。
その時、すぐに「昨日、家庭訪問したあの人」「一昨日、個人指導したあの人」というように、会員の方々の顔が浮かんでくるのが、民衆の指導者なんです。
戸田先生は、時間がある限り、多くの会合で質問を受けられた。
それは、どこまでも一会員に焦点を当てられ、幸せになってほしいというお心の表れであり、皆と直接つながっていこうとされたからなんです」
一人ひとりの会員を最重要視することこそ、創価学会の伝統精神にほかならない。