求道37  2014年7月26日

 
五月三十一日に東北・栃木指導を終えた山本伸一は、東京などでの諸行事に相次ぎ出席し、六月八日には、北の大地に立っていた。
北海道指導の開始である。
午後四時過ぎに千歳空港に到着した彼は、妻の峯子と共に、直ちに空港近くのレストランへ向かった。そこに、修学旅行で北海道に来ていた創価女子高校(現在の関西創価高校)の生徒たちが集ってい
たからだ。
夜には、札幌で北海道の幹部会が控えていたが、明春、女子学園を巣立っていく乙女たちを、短時間
でも励ましたいと、車を走らせたのである。
二十分ほどであったが、創立者として伸一は、「この修学旅行の良き思い出を胸に学園生活最後の総仕上げを!」と、全力で励ました。
それから彼は、札幌文化会館へと急ぎ、幹部会に臨み、指導した。
日蓮大聖人が、『今生の悦びは夢の中の夢』(御書一三八六p)と仰せのように、名聞名利を求めて得られる喜
びは、はかない。広宣流布の実践を通して得られる歓喜こそが、真実の喜びであります。
その実践のなかでも、悩める友のもとに走り、指導の手を差し伸べていく作業こそ、今生の最高の思い出となり、黄金の歴史をつくる聖業となるのであります。
私どもの信心は、それぞれのもつ宿命を転換し、人生を思う存分に楽しみ、幸せを満喫していくためであります。
ゆえに、私どもの指導の要諦は、どこまでも、『指導即希望』『指導即確信』であることを銘記し、希望と確信を与え
ていってください。
指導を受けた人が、「心から安心できる」「身も心も軽くなる」「希望が湧く」と実感し、喜々として広宣流布
へ進んでいけるように、最大の配慮と激励をお願いしたい。
指導することによって、後輩を追い込んだり、苦しめたりするようなことがあってはならない。
それでは学会の指導ではありません。一人ひとりに心から愛情を込め、手取り足取り、抱きかかえるような、
慈悲の指導者であっていただきたいんです」