求道43  2014年8月2日

峯子は、望来の大ブロック担当員宅で懇談したあと、皆と記念のカメラに納まり、笑顔で握手を交わした。
それから、十二日に行われる、望来大ブロック婦人部総会の会場となる家へと向かった。
車中、同行してくれた地元の婦人部幹部から、「会場のご主人は未入会ですが、奥さんの信心には協力的です」と聞かされた。
峯子は、「ぜひとも、ご主人と会い、心から御礼を言いたい」と思った。
人と会い、交流を結び、学会理解の輪を広げていく──その積み重ねが地域広布の堅固な土壌をつくる。友好なくして広布はない。
会場提供者の夫妻がそろって、峯子を迎えてくれた。しかも、主人はネクタイをして、スーツ姿で待っていてくれたのである。
彼は、
会長の夫人が来ると聞き、いたく緊張していたようであった。
総会の会場となる仏間に通された。峯子は正座し、丁重にあいさつした。
「いつも、ご尽力をいただき、誠にありがとうございます。
また、このたびは、お宅を婦人部総会の会場として使用させていただくことになり、心より御礼申し上げます」
主人も正座し、「うちでよければ、いつでもお使いください」と言ってくれた。
部屋には、婦人部総会の式次第が書かれた模造紙が張られていた。峯子が尋ねた。
「達筆ですね。どなたがお書きくださったのですか」
「主人です」
「まあ、そうですか。見事な字ですね」
彼は、顔を赤らめ、額の汗を拭った。
「こうしてご主人様が、陰で支えてくださっているからこそ、この地域の学会の発展があるのだと思います。ありがたいことですわ。
これからも、ご協力のほど、よろしくお願いいたします」
峯子は、深く頭を下げた。
夫妻と共に記念撮影もした。主人も、次第に緊張が解け、笑顔での語らいとなった。
この二カ月後、彼は入会している。