求道60  2014年8月23日

幹部会に引き続いて、北海道研修道場の広場で、「燎原友好の集い」が行われた。
空は晴れ、鮮やかな緑の光彩が目に染みた。
合唱あり、勇壮な空手の演武あり、民謡踊りあり、和太鼓の演奏あり、野点ありの、楽しいひと時となった。
山本伸一は、終始、皆の輪の中に入り、対話を重ねた。
婦人部の合唱団の名前をつけてほしいと頼まれれば、「白夜合唱団」と命名。さらに、皆が喜んでくれるならと、自らピアノを演奏した。
また、参加者が釧路から貸切バスを連ねて来たことを知ると、運転手の労をねぎらい、野点の席に招くのであった。
伸一は、多くの参加者と、直接、語り合い、握手し、共にカメラに納まった。
「全員に、忘れ得ぬ思い出をつくってもらいたい。発心の原点としてもらいたい」と、一期一会の思いで奮闘したのである。
そして、峯子と一緒に、バスを見送った。
「ご苦労様! お元気で! 必ずまた、別海にまいります」
参加者は、「先生! 先生!」と、口々に叫びながら、腕もちぎれんばかりに手を振るのであった。
彼もまた、最後のバスが見えなくなるまで、盛んに手を振り続けた。
この夜、伸一は、標津町の学会員が営む食堂に足を運び、地元のメンバーと懇談した。
その折、一人の壮年が、懸命に訴えた。
「先生、お願いがあります! 私は、こうして先生にお目にかかることができましたが、まだまだ、お会いできない人が、たくさんおります。
どうか、そういう人たちが、お会いできる機会を設けてください」
「わかりました。それは、私の望みでもあります。明日、札幌に戻りますので、出発前に勤行会を行うことにしましょう。
正午に研修道場へ来ることができる方は、全員、お呼びください」
ビクトル・ユゴーは叫んだ。
「黙ってはならない、疲れてはならない、止ってはならない」(注)──力の限り、語り、動き、戦い続ける。そこに、広布の前進もある。