【第61回】 良書を友に! 知性を磨け(2014.10.1)

読書は青春の金の翼
「青年よ、心に読書と思索(しさく)の暇(いとま)をつくれ」――これは、創価の若人の不朽の指針である。
 読書は、自在の時間旅行であり、無限の空間旅行である。この青春の金の翼を広げれば、古代にも、未来にも、宇宙にも行ける。無数の人生を生き、得難い体験を味わうこともできる。読書を通して耕された豊かな心の大地から、偉大な創造の生命は開花するのだ。
 活字文化の衰退(すいたい)は、人間精神の衰退である。わが青年部は教学とともに、読書という草創からの伝統を確固と受け継いでもらいたい。
 
たゆまぬ研鑽が本物の力に
 青年リーダーは、皆、人の何倍も忙しい。のんびり本を読んでいるヒマはないだろう。 しかし、だからこそ、激闘の中で学んだことが、命の深き滋養(じよう)となる。真剣勝負で読んだ一冊は、大きな成長の糧(かて)として活きる。
 私も、戸田先生から、よく「今、何を読んでいるか」「内容を言ってみなさい」と問われた。冷や汗の出る思いでお答えした。わずかの時間でもこじあけて、何かを勉強していなければ、師匠の前には出られなかった。
 先生は、青年が低俗な雑誌などを手にしていたら、烈火(れっか)の如く叱咤(しっせき)されたものだ。「名著を読め」「一流から学べ」と厳しかった。
 最高の哲学の若き探究者として、誇りも高く、良書を友とし、本物の力を蓄えるのだ。
 
英知を磨き勇気の言論を
 日蓮大聖人は、「畜生の心は弱気をおどし強気をおそる当世の学者等は畜生の如し」(957ページ)と喝破(かっぱ)なされた。
 妙法を受持し、実践する青年は、わが生命を明鏡(みょうきょう)の如く磨(みが)き上げながら、たゆまず学び、知性を研ぎ澄ましていくのだ。真と偽、善と悪、正と邪が乱れた時代なればこそ、強く賢く鋭く、英知の光を放っていかねばならない。
 読書は、そのかけがえのない光源である。
 戦いの中で普賢(ふげん)<普(あまね)く賢い>の智慧(ちえ)を鍛え、堂々と正義を叫び抜くのだ。
 破邪顕正(はじゃけんせい)の勇気ある言論の力で、民衆を護り、対話拡大の上げ潮を起こしゆけ!