小説「新・人間革命」広宣譜13 2014年 12月2日

記念幹部会で山本伸一は、学生部結成二十一周年を心から祝したあと、海苔製造業を営んでいた父が、「これからの時代は、学問を積まなければやっていけないなあ」としみじみと語っていた思い出から、話を始めた。
そして、時代の変化に対応し、生き抜いていくには、あらゆる分野で学問が不可欠であり、広宣流布を推進していくうえでも、学識と英知を身につけた人材が、重要な役割を担っていくことを述べた。
さらに、学会の未来を展望しつつ、こう力説した。
「私どもにとって、最大の未来の節となるのが、二十一世紀であります。この時こそが、諸君の本舞台です。
現在の勉学も、訓練も、仏道修行も、その本舞台に躍り出ていくためにあることを、決して忘れないでいただきたい。
ゆえに、どんなに苦しかろうが、歯を食いしばって努力し、頑張り抜き、自分を磨き上げていただきたい。
二十一世紀の本舞台に、どれだけ優秀な大勢の指導者を輩出できたかによって、その後の二十二世紀、二十三世紀への流れも決定づけられていってしまう。
その意味において私は、二十一世紀こそ、われわれの勝負の時であると申し上げておきたいのであります」
次代を担う主人公となるのは青年だ。
「世界の変革をはやめるには きみの、またきみの手が不可欠だ」(注)とは、詩人ブレヒトの言葉である。
伸一の胸中には、恩師・戸田城聖の、「二百年先をめざせよ」という指針が常にあった。
そのために、まず、十年、二十年というプロセスを見すえ、年々、月々、日々の勝利に、全力を注ぎ尽くしていったのである。
遠大な未来構想の成就も、を勝つことから始まる。当面する一つ一つの課題に全精魂を傾け、断固として挑み、誇らかな勝利の旗を打ち立てるのだ。
今日の苦闘は明日の希望となり、未来の栄冠となって、われらの頭上に燦然と輝く。
今こそ、わが生涯を荘厳する、激闘の珠玉の歴史を創るのだ。