小説「新・人間革命」広宣譜14 2014年 12月3日

山本伸一の語調に、熱と力がこもった。
「諸君は、それぞれ、偉大な特質、才能をもっているでありましょう。
しかし、生涯、信心という一点だけは見失ってはならないし、絶対に退転するようなことがあってはならない。
人間の宿命、幸福の確立、あるいは生死といった根本問題は、科学や政治、経済などの次元だけでは、解決することはできない。
その問題を解決し、事実のうえで崩れざる幸福生活を確立していく道は、宇宙の根本法則を説いた、日蓮大聖人の仏法以外にないからであります。
『善に付け悪につけ法華経をすつるは地獄の業なるべし』(御書二三二p)との、大聖人の仰せを深く心に刻み、生涯、広宣流布の大道を歩み抜いていただきたいのであります。
では、その具体的な実践とは何か──。
社会において各分野の第一人者となって活躍していくのは当然のこととして、学会という広宣流布の組織のなかで、なんらかのかたちで責任ある立場に就き、懸命に活動を推進していくということです。
皆の幸せを願って、広布の責任を担い、組織活動に励んでいる人の祈りは、やはり強い。生命力も旺盛である。
また、学会の後輩や地域の人びとの幸福のために献身していくことは、妙法のリズムに乗ることであり、それこそが、大福運を積んでいく仏道修行であります。
そのなかに、人間革命があり、自身の宿命転換も加速していくことを知っていただきたい。
社会に出れば、立場上、存分に学会活動できない時期もあるかもしれない。しかし、その時が大事なんです。
「今こそ正念場である」と腹を決め、友と励まし合い、活動に参加しようという努力を忘れないでほしいんです。
全員が組織に付き切って、学会のリーダーに育っていってください」
仏意仏勅の学会の組織なくして広宣流布はない。
組織から離れれば、自行化他の信仰の正道を踏み外すことになる。