小説「新・人間革命」広宣譜40 2015年1月8日

歌うことは、人間の権利である。
歌うことは、魂の叫びである。
いかなる権威権力も、人が歌うことを止めることはできない。
千葉・安房地域の同志たちは、悪侶の理不尽な圧迫をはねのけ、「人間革命の歌」とともに、広宣流布への誓いの前進を続けてきた。
その苦闘を聞いた山本伸一は、千葉の同志の堂々たる旭日のような心意気を讃えるためにも、県歌が必要であると思った。
伸一の「県歌を!」との呼びかけに、千葉県では、直ちに歌詞を作った。
しかし、県長らは、「可能ならば、先生に作詞していただきたい」と要請してきた。
やむなく伸一は、自ら作詞し、千葉の同志に贈ることにした。
千葉県では、七月十九日に、日蓮大聖人の立教の地を擁する、房総圏の総会が行われるという。
伸一は、その会合に間に合うよう、千葉県歌の歌詞を完成させたのである。
  
 一、ああ ほのぼのと 夜は明けて
   旭日遙かに 煌々と
   安房の森にも 調べあり
   天は晴れたり 我等を包みて
  
 二、波濤は踊るも 太平の
   世紀の大地に 走りたる
   檜の舞台を 築かんと
   ああスクラムは 千葉には燦たり
  
 三、ああ忘れまじ 厳然と
   元初の声を 弘めんと
   誓いの花は この世にて
   千葉に爛漫 広布の凱歌と
  
「いかなる暗夜にも、必ず太陽は昇る。朝の来ない夜はない。いや、闇が深ければ深いほど、夜明けは近い。負けるな! 地涌の同志よ!」との思いを託しての作詞であった。
発表翌月、伸一は、この「千葉の歌」の曲名を、「旭日遙かに」としている。