【第16回】 我らの対話は希望の拡大 (2016.6.4)

6月は、我らの創立の父・牧口常三郎先生の生誕の月〈1871年6月6日〉。
今年で145周年となる。
きょう4日は、世界の華陽姉妹の記念日である。創価女子会館もオープンして10年の節を刻む。
また7日は、高等部の結成記念日。1964年(昭和39年)、私が第3代会長として、いち早く結成した。
そして10日には、尊き「婦人部の日」を迎える。
福智光る創価の女性たちのスクラムを、正義の走者たる新時代の人材の成長を、牧口先生がどれほどお喜びであられるか。
先生は叫ばれた。
「人を救い世を救うことを除いて宗教の社会的存立の意義があろうか」
民衆の幸福のため、社会の繁栄のため、行動する。これが真の信仰者だ。善を為すのに遠慮などいらない。
戦時下、特高警察が監視する座談会で、牧口先生は堂々と正義を語られた。私の妻も、幼き日、先生の手を引いて自宅に案内した。
先生は、一人のために遠く九州まで足を運ばれた。
心を変えるには、一対一で語ることだ。私も、大阪の戦いで、路地の裏まで分け入って、一人と会った。真心を尽くし、一人を励ました。これが、学会精神の真髄であるからだ。
「一は万が母」(御書498ページ)である。一人から一人へ、真実も語らなければ伝わらない。語り切った分、「希望の拡大」「仏縁の拡大」「功徳の拡大」となる。
  
困難が人間を磨く。広布の労苦は、わが身を飾る。
御書には「猪の金山を摺り」(916ページ)とある。イノシシが金の山を妬んで体をこすりつけると、かえって金の山は輝きを増す。法華経の行者は、難に遭うほど輝くと教えている。
「思うようにいかない」「絶対に無理」──その時こそ信心を深めるチャンスだ。
自分を悩ませる人や課題が、自分を鍛えてくれる。
戸田城聖先生は、大変であるほど悠然と語られた。
「行き詰まりを感じた時に、大信力、大行力を奮い起こして、断固と乗り越えていくことだ。これが、私たちの『発迹顕本』となる」
全てが仏になるための修行だ。皆で励まし合いながら、さあ師子王の心で、勇気の対話に打って出よう!