小説「新・人間革命」雌伏 二十六 2017年4月24日
若い力が育てば、未来は希望に光り輝く。
十月には、創価大学の体育大会に臨み、閉会式であいさつした。
社会にあって、あらゆることに対応していくために、学生時代に基本を徹して身につけていくよう、力を込めて訴えたのである。
人生の価値創造のためには、崇高な使命を自覚することが大切である。
そして、その使命を果たしていくには、基本をしっかりと修得していくことが不可欠であるからだ。
さらに、東京創価小学校の運動会や、いもほり大会にも参加した。
創価学園の寮を訪ね、寮生、下宿生との懇談も行った。
ここでは、一人ひとりが「光る存在」になってほしいと語った。
「光る存在」とは、人びとを励まし、希望、勇気を与える人のことである。
そのメンバーが、自らを磨き鍛え、大成長している姿を見ると、元気が出た。勇気が湧いた。
「創友会」総会に集った一人が、声を弾ませて報告した。
「先生。私たちは、確認し合いました。
『もう創立者に決意を述べている時代は終わった。
これからは、“実際に、こうしました。こうなりました”と、結果をもって集う実証の時代である。
それが、弟子が立つということである』と」
伸一の顔に笑みが浮かんだ。
「そうか。嬉しいね。みんなが創立者の自覚で道を開いていくんだ。
それが、わが創価教育の栄えある伝統なんだから」