小説「新・人間革命」 雌伏 五十八 2017年6月1日
長田麗は、宗門による学会批判が激しさを増した時、地元寺院の住職の妻から呼び出された。
学会の悪口を聞かされ、宗門につくのか、学会につくのかを迫られた。
彼女は、毅然として言った。
「私たちに信心を教えてくれたのは学会です。私たちを励ましてくれたのも、山
本先生であり、学会です。宗門ではありません!」
奄美に脈打つ、「スットゴレ!」(負けてたまるか!)の敢闘精神は、次代を担
う若き世代に、しっかりと受け継がれていたのだ。
長田は、皆に訴えた。
彼女は、女子部員の激励に、島から島へと走った。ひとことに奄美大島地域本部といっても、その範囲は広い。
こうした島々で、広布の誓いに燃える若き女性リーダーたちが、はつらつと正義と希望の行進を開始したのだ。
どんなに地理的に遠い地域にいても、広布に進む師弟に心の距離はない。広大な
海も、峨々たる山々も、師弟の心を引き離すことはできなかった。
その魂の絆は、むしろ、強く、深く、結ばれていったのだ。
奄美の女子部として未曾有の弘教に挑戦し、勝利の歴史を開いて集ってきた法友の顔は、晴れやかであった。
戦う人は美しい。その生命には、歓喜の光彩があるからだ。