小説「新・人間革命」 雄飛 二十九 2017年7月19日

四日は、関西文化会館の落成を祝う大阪支部長会が、四回に分けて開催されることになっていた。
山本伸一は、大事な支部長・婦人部長の皆さんと、共に新しいスタートを切りたいと、すべての支部長会に出席し、全魂を注いで指導した。
「健康第一で、はつらつと地域広布の指揮を執ってください。
皆さんが元気であれば、全支部員もまた、元気になっていきます。
常に満々たる生命力をたたえたリーダーであっていただきたい」
「どんなに財や地位、名誉を手にしたとしても、むなしさに苛まれた人生であれ
ば、幸せとはいえない。
真剣に信心に励み、会合などに参加した時は、身も心も軽くなり、生命の充実を感じることができる。
この充実のなかにこそ、最高の満足があり、幸福がある」
「学会活動をしていくなかで、なんで自分が、こんなことを言われなくてはならないのだと思うこともあるでしょう。
しかし、経文、御書に照らして見るならば、仏の使いとして、この末法に出現して法を説いているのだから、苦難があって当然です。
また、広宣流布のために苦労を重ねることによって、今世で宿業を転換し、永遠の幸福境涯を開いていくことができる。
そう思うならば、苦労は即歓喜となるではありませんか!」
「一生成仏の信心の火を消してはならない。
生涯、広宣流布の陣列から離れずについていく、持続の信心のなかに、人生の大勝利があることを知ってください」
一回一回、全力投球の指導であった。その間に、関西の十三大学会の新しい期のメンバーと記念撮影もした。
支部長会の参加者のために、ピアノも演奏した。多くの同志と握手も交わした。
四回目の支部長会が終了したのは、午後八時過ぎであった。
さらに、奈良から大挙して同志が到着した。そのメンバーのために、急遽、勤行会が開かれたのである。
同志のために労を惜しまない──伸一の心であり、指導者の永遠不変の精神である。