小説「新・人間革命」勝ち鬨 三十五  2018年1月19日

山本伸一は、大分県幹部会で、全同志の敢闘を心からねぎらった。
「皆さんは、現代社会にあって、広宣流布の戦いを起こされ、果敢に折伏を展開してくださった。
戸田城聖先生が第二代会長に就任された時、会員は、わずか三千人ほどに過ぎなかった。
しかし、わが同志の死身弘法の実践によって、広宣流布の陣列は、全世界に広がりました。
大聖人が仰せの『地涌の義』を現実のものとしたのが創価学会であり、皆さんです」
そして、伸一は、「此の経の四の巻には『若しは在家にてもあれ出家にてもあれ、法華経を持ち説く者を一言にても毀る事あらば其の罪多き事、釈迦仏を一劫の間直ちに毀り奉る罪には勝れたり』と見へたり」(御書一三八二ページ)との御文を拝した。
「大聖人は、明確に、こう仰せです。
折伏に励んできた人を誹謗し抜いた者がどうなるのか、ここに厳として示されています。
しかも、生活も大変ななかで、宗門の発展を願って供養もし、献身してきた皆さんです。
その仏子を謗れば、仏法の因果の理法によって、厳しく裁かれていくでしょう。
この正信会の事件は、広宣流布を妨げる魔の働きであり、また、一つの難といえます。
大事なのは、難があるからこそ、信心が深まるということです。功徳だけの安楽な信心であれば、宿命の転換も、一生成仏もできません。
仏道修行を重ね、宿命を転換し、崩れざる幸福境涯を開くために、難は不可欠なんです。難があるのは、正義の証です。
日蓮大聖人は、『月月・日日につよ(強)り給へ』(同一一九〇ページ)と仰せです。
信心の持続は当然のことながら、日々の生活など、人生のあらゆる面で、常に前進し続ける持久力が大事であると銘記していただきたい。
仏法は勝負です。強盛な信心を貫き、聡明に生活し、真剣に仕事に励み、人格を磨き、幸せの人生を歩み抜いてください」
生涯を見なければ、人生の勝敗はわからない。持続の信心を貫いた人が勝者となる。