【第27回】清新な決意で清新な出発を (2018.3.24)


戸田城聖先生のご命日を前に、桜が咲き薫る青山墓地周辺を車で回り、恩師を偲んだ(3月23日)。
60年前、先生をお見送りした道の桜並木も年輪を刻んで、王者の風格を湛えていた。
最晩年、「もう何もいらない。ただ人材が欲しい」と言われていた先生である。
日本中、世界中の若き人材群の桜花爛漫の晴れ姿を、いかばかり喜んでくださることかと、妻と語り合った。
 
桜に彩られた総本部の創価文化センターでは、「少年少女希望絵画展」が行われている(4月8日まで)。
「読書感想文・作文コンクール」や「E―1グランプリ」でも発揮されている通り、創価の少年少女たちには、実に伸びやかな創造性が光り、しかも他者への深い思いやりが溢れている。
この若き生命のスクラムが、21世紀の世界にどれほど大きな希望の光を放ち、新たな人間主義の文化を創造してくれるだろうか。
 
「未来部希望月間」に際し、いつも激励に当たっていただいている担当者の方々に重ねて感謝したい。
日蓮大聖人は、青年・南条時光に「アショーカ王」の逸話を繰り返し仰せになられた。
「此の大王の過去をたづぬれば 仏の在世に徳勝童子・無勝童子とて二人のをさなき人あり、土の餅を仏に供養し給いて一百年の内に大王と生れたり」(御書1544ページ)
戸田先生は、この御聖訓を通し、おとぎ話のようでありながら、厳然たる因果の理法が示されていると教えてくださった。
――子どもたちが秘めている可能性は、計り知れない。
ゆえに、一回の激励、一回の会合出席など、わずかでも妙法に縁し、創価の世界に連なることが種となり、未来へ無量の福徳の花を開いていけるのだ、と。
この究極のロマンと絶対の大確信をもって、宝の未来部の一人一人の成長を、いやまして祈り、励まし、尽くしていきたい。
受験や進路などで、思うようにいかなかった未来部の友もいるだろうが、ご家族とも連携を取りつつ、聡明にして温かな激励をお願いしたい。
 
仏法では「心は工なる画師の如し」と説かれる。
題目を朗々と唱えゆく心は、希望と勇気を涌現して、幸福充実の青春の名画を自在に描き出せるのだ。
さあ、世界の創価家族といよいよ明るく、励ましの語らいを広げながら、清新な決意で清新な出発を!