小説「新・人間革命」  誓願 十五 2018年4月12日

世界平和文化祭では、「きらめく瞳」と題する女子中・高等部員の希望弾むリズムダンスもあった。
「羽ばたき」という男子中・高等部員のマスゲームでは、明日に向かう若々しい力が躍動した。
男子部のグラウンド人文字は、恒久平和建設への誓いを込めて、「平和乃波」の文字を浮かび上がらせた。
少年・少女部員は、巨大ボールと戯れるリズムダンスで、果てしない未来へ膨らむ夢を表現。
女子部の松明の舞では、点火された松明の炎が一人、三人、五人と燃え広がり、六百人の美しき"平和の光"が踊った。
海外メンバーのパレードでは、漁業専管水域をめぐって争いが続くアイルランドとイギリスの友が、一緒に笑顔で歌い、行進した。
「たとえ道は長くとも 希望の光かかげつつ 二十一世紀の勝利めざして」とは、SGIの歌「21世紀のマーチ」の歌詞である。
この文化祭にも、前月の八月二十四日に山本伸一が会見したデクエヤル国連事務総長から、メッセージが寄せられた。
「分裂と混乱が国際情勢を支配する現在の困難な時代に、国連憲章に込められた理想に向かう決意を新たにすることは、最も重要であります。
人類は平和の維持と軍縮の促進を可能にする国際機構としての国連を保有しております。
しかしながら、この国際機構も人類が真剣にこれを役立てようと、その機構の権威強化に全面的に取り組んでこそ、初めてその機能が発揮され得るのであります。
もし、この取り組みがなければ、人類はなんの手立てもないまま、地球的な破滅へと向かわざるを得ないでありましょう」
そして、SGIのようなNGOは、国連への世界市民の支持を創出し、平和と軍縮の目的達成を推進するうえで、極めて意義ある役割を果たしていくと強調。
今回の文化祭が、その目的へと向かう国際的な勢いを、一段と増すものになるとの確信を述べた。
伸一は、国境を超えた民衆の平和の連帯をさらに広げ、人類の議会たる国連の支援に、いっそう力を注ぐ決心であった。